OKIセミコンダクタは、ビデオ信号3方式(NTSC/PAL/SECAM)に対応したビデオデコーダLSI「ML86V76651」および、タイミングコントローラ(TCON)を内蔵した中小型TFT-LCD用画質調整LSI「ML86V8101」を開発したことを明らかにした。ビデオデコーダLSIは、2009年6月からのサンプル出荷、同9月からの量産出荷を、一方の画像調整LSIはすでにサンプル出荷中で、同8月からの量産出荷を予定している。

中小型TFT-LCD用画質調整LSI「ML86V8101」

ビデオデコーダLSI「ML86V76651」

ビデオデコーダLSIは、ビデオ信号3方式のほか、国際標準である「ITU-R BT.601」規格(13.5MHz)、「NTSCスクエア・ピクセル」(12.272727MHz)、「PALスクエア・ピクセル」(14.75MHz)の3種類のピクセル周波数に対応。

また、一般民生用途より厳しい温度範囲(-40℃~+85℃)での使用を可能にしたほか、電源電圧の単電源化(1.8V)、モールドパッケージ品と比べてパッケージサイズ60%削減を可能にしたW-CSP(3.8mmx3.7mm)の採用などが図られている。

一方の、画像調整LSIは、画像調整機能とTCONの1チップ化および3.3V単一電源化を実現。これにより、映像表示システムの高画質化とコスト・実装面積の削減が可能になるほか、TCONの内蔵により水平制御信号を最大4種、垂直制御信号を最大3種出力することができるようになり、QVGAからQHDまでの画素数のTFT-LCDの動作タイミングを制御することが可能となった。

また、入力画像データの傾きを変更するコントラスト調整機能や入力画像データにオフセットを付加するブライト調整機能を搭載。これにより、コントラスト調整はRGB共通に傾きの変更を行った後に、RとBの個別変更が可能となるのに加え、ブライト調整ではRGB共通にブライト調整を行った後に、RとBの個別にブライト調整を行うことが可能となる。

同LSIについて同社では、今後、ダイナミックコントラストなどの高画質化、LVDS I/Fなどを採用していくことも検討、より付加価値の高い画質調整LSI商品の開発、提供につなげていくとしている。