米Atmelは、Cortex-M3 Flash MCUにUSB 2.0とSDIO/SDCard 2.0 I/F、MMC 4.3ホストとSPI I/Fをオンチップで搭載した「SAM3U」を発表した。
SAM3Uは96MHzで駆動される1.25 DMIPS/MHzのCortex-M3コアに以下のような機能をオンチップで搭載したものである。
- 480MbpsのUSB 2.0コントローラ
- 4bit/192Mbps SDIO/SDCard 2.0 I/F
- 8bit/384Mbps MMC4.3ホストコントローラ
- 48Mbps SPI I/F
こうした高速I/Fと高性能MPUコアを統合したことで、産業機器や医療機器などで必要とされるゲートウェイなどに活用できるようになった。
また、高速周辺回路の帯域を生かすべく、5層のバスマトリックスと23チャネルのDMAを用意し、合計52KBにおよぶSRAMをシステム内に分散して配するほか、最大256KB/2バンクのFlash Memoryを搭載する。この2バンクのFlash MemoryはIAP(In-Application Programming)に対応し、アプリケーションの起動中に片方のバンクに新しいファームウェアを書き込むことが可能となっている。
加えて10ないし12bitのA/Dコンバータ(ADC)を8ch装備し、内蔵するPGA(Programmable Gain Amplifier)を活用することでSingle EndedとDifferentialの両方の入力を外部回路なしで取り扱える。他にもUARTが4ch、SPIが5ch、I2Cを2chとI2S、タイマ、PWM制御回路、128bitのユニークID、それに電源/リセット制御回路も搭載する。外部にMemoryのほかFPGAやASSPを接続するための、8/16bitデータバスを出すことも可能である。電源電圧は1.62V~3.6Vまでカバーする。
SAM3Uはまた省電力性にも優れている。Backupモードを使うと、コア/周辺回路への電源供給が止められるため、この際の消費電流は2.5μAでしかない。Backupモードから復帰すすためのトリガーは多数用意されている。また高速のRCオシレータを内蔵しているため、特にバッテリー運用時の消費電力を低く抑えることが可能である。
AT91SSAM3Uはすでにサンプル出荷を開始している。Flash Memory容量は64KB/128KB/256KBの3つが用意され、パッケージは0.5mmピッチのQFPの100pin/144pin、それに0.8mmピッチのBGAパッケージが用意されている。量産出荷は今年第4四半期を予定しており、量産価格は1万個あたりで3.50ドルからとなっている。