NTTコミュニケーションズは4日、同社が提供している公衆無線LANサービス「HOTSPOT」において、特定のWebサービスに限りユーザ登録不要で利用できる『HOTSPOT connect(ホットスポット コネクト)』の提供を開始したと発表した。同サービスの利用第1弾として、アイファイジャパンと提携。同社の無線LAN内蔵SDカード「Eye-Fiカード」でHOTSPOT connectが利用できるようになる。

「HOTSPOT connect」は、特定サービスに限り、IDやパスワードによるログインなしに誰でも無料で利用できるのが特徴となっている

NTTコミュニケーションズでは、有料の公衆無線LANサービス、HOTSPOTを提供している。今回新たにスタートしたHOTSPOT connectは、同社と提携したWebサービスの利用に限り、HOTSPOTエリアの一部をユーザ登録やログイン処理を行なわずに無料で提供するというもの。その提携第1弾となるのが、無線LAN内蔵SDカードEye-Fiカードを提供するアイファイジャパンだ。HOTSPOT connect提供エリア内であれば、同カードをセットしたデジタルカメラで撮った写真や動画を、Flickr/ YouTubeなどの各種Eye-Fi対応サービスへアップロードできるようになる(事前に「Eye-Fi Manager」での設定が必要)。その際、ログイン処理などは必要なく、無料で利用することが可能だ。

HOTSPOT connectの提供エリアは、サービス開始当初は、東京都営地下鉄の全駅、モスバーガーとプロントの一部店舗。6月9日からは西日本を中心としたエリアにも順次拡大していくとしている。

また、7月中旬からはアクセス設定を簡略化するユーティリティソフト「HOTSPOT Gear」の提供を開始する。同ユーティリティでは、HOTSPOT connect対応サイトを無料で閲覧することもできる。

HOTSPOT connectのサービス提供の第1弾として、アイファイジャパンのSDカード型無線LANカード「Eye-Fiカード」を利用した写真・動画のアップロードができるサービスの提供が開始された

4日開かれた記者会見で、NTTコミュニケーションズ ユビキタスサービス部主査の古澤祐治氏は、「HOTSPOT connectの提供により、ユーザーはログインすることなく手軽にサイトを閲覧でき、ワイヤレスでのネット利用の便利さを体験できることができる」とユーザーの利点を説明した。WebサイトをHOTSPOT connectに対応させるサービス事業者にとっては、「無線LANという新たなネット利用環境で、サイト閲覧者を増やすことができる」と述べた。

NTTコミュニケーションズの狙いについては、「HOTSPOTの認知度を上げることが第一の目的。その上で、サイトへのアクセス数に応じ、インターネット事業者からスポンサー料を受け取るなどの事業モデルも考慮している」と述べ、主にHOTSPOTの利用促進が目的だとの見解を示した。

HOTSPOT connectの第1弾サービスを提供するアイファイジャパン代表取締役の田中大祐氏は、「遠足の写真をその場でアップロードしたり、結婚式の写真を二次会に行く前にアップロードして友人同士で閲覧したりと、感動をその日のうちに共有できるというEye-Fiカードの特徴に合ったサービスと判断した」とHOTSPOT connectに参加した理由を説明していた。