日本ヒューレット・パッカードは6月4日、無停止サーバ「HP Integrity NonStop サーバー」をベースとした新たなメインフレーム移行(MFA)ソリューションを発表した。

新ソリューションでは、NonStop サーバーと、東京システムハウスが提供するミドルウェア「AJTOOL」を活用して、メインフレームからの移行を行う。

日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 NonStopサーバ事業部長 浅野勉氏

これらのうち、NonStop サーバは、35年の実績を持つ独自OS(NonStop カーネル 3.0)の無停止システムで、ハードとソフトが一体となってフォールト・トレランス(無停止)を実現するうえ、データ・インテグリティ(整合性確保)に優れる、プロセッサ増設によるパフォーマンス向上効果が理論値に近い、などの特長を備える。メインフレーム移行に関しても前例が豊富で、以下の写真に示すようなさまざまなシステム構成に対応できるほか、対応通信プロトコルも豊富で「足回り(ネットワーク関連)は変更することなくメインフレーム資産を移すことができる」(日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 NonStopサーバ事業部長 浅野勉氏)という。

NonStopサーバーによるレガシーマイグレーションの構成モデルとして上記のような5つのパターンが用意されている

日本HP テクノロジーソリューション営業統括 エンタープライズストレージ・サーバ営業統括本部 MFA営業部 冨田和則氏

一方、AJTOOLは、メインフレーム資産の移行向けに作られた専用ミドルウェア。Java EEアプリケーションとCOBOLシステム上で動作するアプリケーションとを連携させることができる。AJTOOLを利用することで、レガシー資産をWebアプリケーション化するといった作業が安全かつ安価にできるほか、「メインフレームからオープンシステムへの移行により、大幅なTCO削減が望める」(日本HP テクノロジーソリューション営業統括 エンタープライズストレージ・サーバ営業統括 MFA営業部 冨田和則氏)という。

AJTOOLの概要

AJTOOLの実装イメージ

なお、日本HPでは、昨年買収した米Electronic Data Systemsが従来から提供している、レガシーシステム移行支援サービス「AMod(Applications Modernization Services)」を今年5月から始めているが、今回のソリューションも同サービスの体系的フレームワーク(方法論)「Modernization Framework」に組み込み、同サービスの「Re-host(ホストの変更)」アプローチにおける選択肢の1つとして提供していくという。

Modernization Frameworkの概要

Modernization Frameworkにおける新ソリューションの位置づけ