マイクロソフトは今年の年末、次期バージョンのExchange Serverである「Exchange Server 2010」をリリースする予定だが、今回は主な新機能を紹介しよう。なお、Exchange Server 2010は現在ベータ版の提供が行われており、マイクロソフトのWebからダウンロードできる。

マイクロソフトでは現在、自社で運用されているサーバ上の製品と、Windows Azureなどクラウド上のサービスを統合して運用する「Software + Service」(S+S:エス プラス エス)を提唱しており、今後これに対応した製品がリリースされる予定だ。

これにより、企業においては、本社は自社のサーバで運用し、支店や営業所はクラウド上のサービスを利用するといった、両者が相互に連携しながらの運用が可能になる。

マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 ユニファイドコミュニケーショングループ エクゼクティブプロダクトマネージャの斎藤義憲氏によれば、Exchange Server 2010がS+Sに対応した最初の製品になるという。

具体的には、スケジュール共有やアドレス帳の連携が可能になり、Windows Live IDを利用して、外部のユーザーや家族とのスケジュール共有も行うことができるという。

運用管理に関する部分では、DB構成の見直しやDISK I/Oの削減が図られている。

DB構成の見直しではクラスタ機能を強化し、従来ストレージ単位での複製しか行えなかったものを、MailBox内の論理的な単位での複製が可能になり、ディザスタリカバリやレプリケーションの展開が容易になっている。それぞれのDBは16個のレプリケーションコピーを保持することが可能で、従来3-4台必要であった冗長構成も最小2台から行うことができるという。

DISK I/Oの削減では、現状のExchange Server 2007の半分程度になっており、これにより比較的低価格のストレージ製品でも十分なレスポンスが得られるという。

その他の管理面では、他のユーザーのメールボックスの検索、ディレクトリ上の社員情報の更新、メールボックスの容量の拡張など、一部のユーザーに特定の権限だけを与える役割管理モデルが利用できる。

役割管理モデルにより全メールボックスの検索が可能に