米Microsoftは5月28日 (現地時間)、新検索サービス「Bing」を発表した。検索からユーザーが素速く正確な判断を下せるように支援する。同社はこれを"Decision Engine"と呼び、「検索を超えたサービスへの第一歩をコンシューマに提供する」としている。同日よりサービス展開を開始し、6月3日(同)には世界規模で利用可能になるという。同社はまた、Bingを一般コンシューマ向け検索サービスの新ブランドとすることも明らかにした。同戦略に従ってマッピング・プラットフォームVirtual Earthを「Bing Maps」に、米国で提供している検索キャッシュバック・サービスLive Search cashbackを「Bing cashback」に改め、2008年4月に買収したFarecastの技術の一部を「Bing Travel」として提供する。
発表でMicrosoftが示したcomScoreの調査によると、既存の主要な検索エンジンでは検索の約30%でユーザーが満足な結果を見つけられずにいる。また残りについても2/3が検索の修正または結果の再検索が必要だという。「検索エンジンはWebのナビゲート支援では適正な仕事をしているが、ユーザーが見つけた情報を活用するという点では十分ではない」とMicrosoft CEOのSteve Ballmer氏。
ユーザーの判断を手助けする上で、Microsoftは以下の3つのポイントを上げる。
まず「狙い通りの検索結果」。関連性に基づいた検索はユーザーにとって不可欠だが、検索クエリーから満足できる結果が得られるのは1/4程度にとどまるのが現状だとMicrosoft。そこでBingでは、検索内容に対する確実なリンクや情報を示す「Best Match」、「Deep Links」、ページの要約を表示する「Quick Preview」など、様々な角度から関連性を掘り下げられるようにした。
2つめは「整理された検索体験」。検索ユーザーの多くは1つのリサーチに対していくつもの検索を同時に行っており、その数が増えるほどに検索作業自体が複雑になってしまう。そこでBingでは、検索内容に合わせてナビゲーション・ツールや検索ツールがダイナミックに入れ替わる「Explore Pane」を検索ページの左側に配置した。また結果をグループ化する「Web Groups」、検索結果をカテゴリ分けする「Quick Tabs」などを備える。
3つめは「タスクの簡素化とニーズへの対応」だ。一般コンシューマは検索に対して、特にショッピング、旅行、ローカル情報、ヘルス関連などの情報を求めている。Microsoftはコンシューマの検索シナリオを重視し、Bingをこれらの検索タスクに最適化した。例えばオンラインでの買い物用のリサーチでユーザーは、Web上でのユーザーのコメントや専門家によるレビューをまとめた情報を参照できる。Bing Travelでは、複数のホテルの場所・料金・サービスなどを比較できる「Rate Key」、航空券の買い時をお勧めする「Price Predictor」などが用意されている。