米Time Warnerは5月28日(米国時間)、AOLを完全に分離させる手続を進めることを同社の取締役会が全会一致で決定したと発表した。この手続が進めば、AOLはTime Warnerとは無関係な独立企業として、新たなスタートを切ることになる。
Time WarnerのCEO兼会長であるJeff Bewkes氏は「今回の決定は、Time WarnerにとってもAOLにとってもベストな結果をもたらすものと信じている。両者が分かれることにより、双方が営業面でも戦略面でもメリットを得られるだろう。AOLは独立したインターネット企業として業界をリードしていく可能性が十分にあると確信している」と語っている。Time Warnerは昨年初頭から経営改革を進めているが、AOLを分離することで「我々はコアとなるコンテンツビジネスにさらに注力することができる」としている。
AOLの事業責任者である会長兼CEOのTim Armstrong氏は、今回の決定について「AOLにとっても、従業員にとっても、そして我々のパートナーにとってもすばらしい機会だ」とコメント。「独立した企業に生まれ変わることで、AOLはコアビジネスを強化し、革新的なプロダクトとサービスを提供できるようになる。もちろんこれからやるべきことは山積しているが、我々には世界的ブランドと抜群のチーム、そしてWebの将来を背負うという強い情熱がある」としており、競争が激しい世界でも市場で新たなステータスを獲得できると自信を見せている。
現在、AOLの株式は95%をTime Warnerが、5%をGoogleが保有している。Time Warnerは2009年第3四半期中にGoogleの保有株式を買い取る計画を立てており、今年末までに分社化を終了させる予定だという。