NECエレクトロニクスは、低解像度の映像や静止画をフルHD(1920×1080ドット)のテレビなどで表示した際に生じる画像の"ぼやけ"を改善できる超解像システムLSI「μPD9280GM」を開発、サンプル出荷を開始したことを明らかにした。サンプル価格は2,000円で、2009年7月より月産10万個で量産を開始、2010年には月産100万個の量産規模を計画する。

超解像システムLSI「μPD9280GM」のパッケージ画像

同製品は、1枚の画像データ内の情報を解析、処理することにより、拡大された画像の"ぼやけ"を改善することが可能な同社独自の「1枚超解像技術」を採用したシステムLSIで、従来製品の動作周波数108MHzから150MHzに高速化したことで、処理性能を向上、フルHDに対応を果たした。

また、超解像IPコアの演算精度および画像データの入出力インタフェースをRGB各色ともに8ビットから10ビットに向上させたことにより、色表示性能を従来の1,600万色(24ビットカラー)から10億色(30ビットカラー)へと拡張し、DeepColor対応時にも滑らかなグラデーション表示が可能となった。

さらに、低解像度の画像などを大画面パネルへ表示する場合、画像解析に必要なデータ量が膨大になるため、通常であれば大容量の外付けメモリが必要となるが、同製品では、1枚の画像データの解析、処理で済むため、外付けメモリが不要となり、システムコスト、回路面積の削減などが可能となっている。

なお、同社では、1枚超解像技術を「EMMA」や携帯機器向けIPコアとしても提供することで、2010年度に100億円の受注を目指すとしている。