ルネサス テクノロジは5月21日、無線通信を使用して交通などのサービスを提供するテレマティクスやハンズフリー機器などの車載情報機器向け32ビットマイクロプロセッサ「SH7761」を製品化したことを発表した。2009年8月よりサンプル出荷を開始、サンプル価格は4,000円となっている。
同製品は、CPUコア「SH-4A」を搭載。従来品「SH7760」の2倍となる最大動作周波数400MHz、処理性能720MIPSを実現している。また、SH-4Aコアは既存コア「SH-4」の上位互換であり、カーナビなどの車載情報機器向けSoCである「SH-Naviシリーズ」のコアと同一であるため、既存プログラムの流用が可能となる。
メモリはDDR2-SDRAMインタフェースを装備。処理性能の高速化ならびにデータ転送の高速化が可能となり、次世代テレマティクスやハンズフリー機器の主要な機能を1チップで実現できる。
さらに、周辺インタフェースとして、Bluetoothモジュールとの接続用に高速シリアルコミュニケーションインタフェース(最大4Mbps)を搭載するほか、USB2.0ハイスピード対応USBインタフェースを2ポート、音声入出力用に複数のサウンドインタフェースを搭載。加えて、NANDインタフェースとSDカードインタフェースを搭載している。
車載LANとしては、CANインタフェース2チャネルに加え、MOSTインタフェースを搭載することで、車載LANシステムの構築を容易にしている。
なお、同製品の開発環境は、PCとUSBで接続可能なオンチップデバッギングシミュレータ「E10A-USB」を用意しているほか、ユーザのシステム開発向けに、各種インタフェースを備えたリファレンスプラットフォームを準備しており、提供はサンプルと同時の2009年8月からを予定している。