Atomベースのモバイル機器向けLinuxプラットフォーム「Moblin」のv2.0 Betaの提供が始まった。これに合わせるように米国時間の5月19日、米Intelが次世代のネットブック/ ネットトップ向けAtomプラットフォーム「Pine Trail」の概要を説明した。
Pine Trailではプロセッサが「Diamondville」から「Pineview」に世代が移る。現行プラットフォームの3チップ構成が、CPUコア/ MCHコア/ グラフィックス(GPU)コアを1つに統合した2チップ構成になり、4層PCBルーティングを実現する。これによりCPUやグラフィックス性能を改善しながら、全体のTDPを大幅に削減できる。より薄いフォームファクタやファンレス設計が可能になり、またシステムの平均消費電力の低下はバッテリー駆動時間の向上にもつながる。リリース予定は2009年第4四半期だ。
Moblin v2.0 Betaでは、小さくて解像度の低いスクリーンでの利用体験に焦点を当てたユーザーインターフェイスの変更が行われた。Clutter、DRI2、KMSなどオープンソースの最新のモバイル機器向けグラフィックス技術を採用。M-zoneがホーム画面パネルとして固定された。ツールバーとパネルを軸に、カレンダーやタスク、よく使用するアプリケーション、最近使用した書類やファイル、各種コミュニケーション機能など、ユーザーがモバイル環境で日常的に行う作業のおよそ9割にすばやくアクセス可能だという。例えばTwitterやLast.fmなどのソーシャルネットワーキング・サービスが統合され、M-zoneを通じて一カ所から管理・利用できる。この新ユーザーインターフェイス向けに最適化されたアプリケーションとして、Clutterシェルに対応するMozillaブラウザを備える。またAtomプロセッサ搭載機器への最適化も進み、起動時間の短縮、バッテリー駆動時間の延長を実現している。
Moblin v2.0 Betaはmoblin.orgのサイトからダウンロード入手できる。動作テスト済みのシステムとして、Acer Aspire One, Asus EeePC 901/ 1000H、Dell Mini 9、MSI Wind、Lenovo S10、Samsung NC10、HP Mini 1010/ 1120NR (有線LANのみ)などが挙げられている。