IDC Japanは5月18日、 国内中堅中小企業IT市場の2008年の実績と2009年~2013年の市場予測を発表した。同発表によると、2009年の国内中堅中小企業IT市場規模は3兆6,153億円で前年比5.3%減の大幅な減少と予測している。
同社は、2008年後半からの世界的な景気減速によって国内の中堅中小企業の多くにおいて業績が急激に悪化したため、IT投資は大幅に減速と分析している。2008年の国内中堅中小企業IT市場規模は3兆8,192億円で前年比0.3%減。プラス成長への回復は2011年以降と予測している。
製品別に見ると、ハードウェア市場の規模は1兆421億円で前年比16.4%減と大幅減、ソフトウェア市場の規模も8,610億円で前年比2.0%減でマイナス成長となることが見込まれる一方、ITサービスの市場規模は1兆7,122億円で前年比1.1%増のプラス成長を維持すると予測されている。
産業分野別では、特に金融(2009年前年比成長率:6.6%減)、製造(同:8.5%減)が大幅に減少すると予測されている。一方、サービスに含まれる医療分野では2012年4月から原則義務化されるレセプトのオンライン化対応とそれに伴う医療情報ネットワークの構築などによって2009年も堅調なIT投資が見込まれることから、2009年のサービスのIT投資はマイナス成長となるものの減少の幅は小さく(同:2.4%減)、2010年にはプラス成長に回復すると、同社では見ている。