高度医療装置向けアイソレータファミリ
Analog Devices(ADI)は5月14日、同社のデジタル・アイソレータ製品群を拡張、患者モニタリング装置などの医用機器に向け、信号ラインと電源系統をそれぞれアイソレーション可能な4チャネルデバイスファミリ「ADuM640x」を発表した。価格は1,000個受注時で6.33ドル(参考価格)としている。
同ファミリは、同社のデジタルアイソレーション技術「iCoupler」ならびにDC/DCコンバータ技術「isoPower」により、アイソレーションされた信号チャネルおよび電源が1パッケージに集積されている。
これにより、絶縁型DC/DCコンバータを外付けしたフォトカプラのような、個別素子による絶縁ソリューションと比較するとコストと基板面積を50%低減できるようになるほか、低電力の絶縁伝送システムの設計で、外付けの絶縁型DC/DCコンバータが不要となる。
「ADuM6400」「ADuM6401」「ADuM6402」「ADuM6403」「ADuM6404」の5製品で構成されており、いずれの製品も5kV rmsの医用グレード・アイソレーション規格(IEC 60601-1 認証申請中)に準拠している。
スマートフォン向けキーパッドコントローラ
同社はスマートフォン向けに、周囲光センシング機能を備えたモバイルI/Oエクスパンダ高機能キーパッド・コントローラ「ADP5588」も併せて発表している。
同製品は、キーパッド・スキャニングやデバウンシング(跳ね返り抑制)、割り込み発生機能を集積しているため、プロセッサのI/Oポートと負荷を軽減することが可能。また、インテリジェントなLEDバックライト照明の制御を特長としており、これにより周囲光のレベルを自動検出し、照明環境の変化に応じてバックライトの輝度を調整することが可能となる。これにより、バックライトモニタ機能に必要なCPU処理が最小化され、バッテリの消費電流が低減され、利用可能なプロセッサの帯域幅が増えることから、エネルギーの節減にもつながるという。
また、I2C互換バスを通して、プロセッサが最高15個の追加の汎用I/Oポートを制御できるため、プロセッサによる直接ルーティング(信号配線)を18ラインから3ラインに減らすことが可能。
さらに、オーバーフロー割り込み機能付きキーイベントカウンタを備えているため、処理されないキーイベントを最高10個まで管理できるほか、キーロックオプションによりロックがアクティブの際に、キーを押して割り込みをすべきかどうかを設計者が選択することができるようになっている。
同製品は現在サンプル出荷中で、デバイスは1.8Vから3VのI/O動作をサポートしている。価格は1,000個受注時で1.08ドル(参考価格)としている。