ルネサス テクノロジはマルチメディア・アプリケーションの処理を行う携帯機器向けアプリケーションプロセッサ「SH-MobileRシリーズ」の第3弾製品としてワンセグ対応のカーナビゲーション機器やPNDといった機器に向け、HDサイズのビデオ再生/録画に対応した「SH-MobileR2R(SH7724)」を開発、2009年8月よりサンプル出荷を開始することを明らかにした。449ピンBGAと441ピンPOP対応BGAの2製品が用意、サンプル価格は1万個ロット時で3,000円からとなっている。

SH-MobileR2Rのパッケージ写真(上が441ピンPOP対応BGA、下が449ピンBGA)

同製品は、日本の地上デジタル放送「ISDB-T」で採用されている動画像圧縮規格のH.264/MPEG-4 AVCに対応したマルチ・コーデックの動画像処理IP「VPU5F (Video Processing Unit 5F)」を搭載。これによりワンセグに対応したほか、VPU5Fの処理性能を従来製品「SH-MobileR2」から約2.5倍向上させることに成功。HDサイズのビデオで30fpsのエンコード/デコードの実現に加え、MPEG-4のエンコード/デコード、およびVC-1のデコードなどを可能とした。

また、CPUコアには「SH-4A」を採用。最大動作周波数をSH-MobileR2の約1.3倍となる500MHzとしたことで、処理性能を最大900MIPS、FPUの処理性能を3.5GFLOPSに向上させている。これにより、フロントモニタとリアモニタといった2画面表示や複数アプリケーションの並列処理、LinuxやWindows CEなどの汎用OSでの動作にも対応することが可能となった。

さらに、地図描画用の2Dグラフィックスアクセラレータの搭載のほか、オーディオ処理用に24ビットオーディオ専用DSPを搭載。MP3などの処理のほか、地デジのオーディオ圧縮方式である「aacPlus」の処理もDSPで行うことで、CPUの処理量を約50MHz程度不要にすることが可能だ。

なお、同社では、H.264やMPEG-4、WMVなどの動画用ミドルウェア、aacPlusなどのオーディオ用ミドルウェアといった各種ミドルウェアを用意しており、トータルシステムへのソフトウェアソリューションを提供するとしている。