米IntelとフィンランドのNokiaは5月11日(米国時間)、オープンソースの電話通信ソリューションを開発する「[oFono] ( http://ofono.org/ )」プロジェクトの設立を発表した。oFonoはGSM/UMTSといった携帯電話インフラを構築するために必要なコンポーネントの設計を主眼に置いており、GPLv2をベースにソースコードが公開されている。同プロジェクトは2社の共同運営となり、今後も広く参加メンバーを募集していくという。
oFonoではアプリケーション開発者らに向けて公開されるD-Bus API(Qt4やGNOMEで採用されているIPC)に加え、オープンソースならびにサードパーティの電話通信スタックとの連結を可能にするバックエンド向けのプラグインAPI群が提供されている。このプラグインAPIの機能はATコマンドなどの標準に準拠したものになっている。同プロジェクトによれば「一貫して、必要最小限であり、完全で、かつ使いやすいAPIセットを提供する」ことが目的としており、アプリケーション開発者やシステムプロバイダらがより使いやすいオープンソース製品の提供を目指しているという。
oFonoの登場は、Androidを擁するGoogleや、App Storeを武器に携帯電話市場を攻略しつつあるAppleへの対抗という意見もある。Intelでは「Moblin」というMIDやネットブック向けのOSプロジェクト、NokiaではスマートフォンOSのSymbianをすでに抱えている。だがIntelは今年4月にMoblinプロジェクトをLinux Foundationに移管しており、事実上プロジェクトからは一歩引いた状態になっている。一方のNokiaも、スマートフォン市場ではAppleやBlackBerryのRIMに苦戦を強いられている。いま両社が手を組むことで、より訴求力の高い製品の提供を実現していこうとしている。