ミック経済研究所は5月12日、デジタルサイネージのソリューションベンダー36社を対象に行った調査をもとに、市場動向を推定した結果を発表した。同社の発表によると、2008年度のデジタルサイネージソリューション市場の市場規模は前年比115.4%の571億円に上り、2009年度は694億円になる見込み。その後も同市場は年平均14%と高い成長率で推移し、2013年度には1100億万円の市場規模になると予測されている。

同調査では、デジタルサイネージシステムを構築するためのハードウェア、ソフトウェア、サービス、配信コンテンツを調査対象範囲とし、デジタルサイネージソリューション市場と定義している。

当初、2010年以降デジタルサイネージの市場はさらに大きく拡大していくと見られていたが、昨今の景気後退の影響で投資が減少していく可能性もあると、同社はしている。一方、デジタルサイネージは新たな販促ツールとして注目度が高く、また、利用機器の価格やネットワークのインフラコストが下がっていくことが予想されるため、システムの導入数、案件数自体は増え、結果、市場としては堅調に推移していくと見られるという。

同調査では、デジタルサイネージ市場を表示サイズ別に大型、中型、小型の3つのソリューションに分けて集計している(表示サイズの定義は以下のとおり)。ボリュームゾーンは、近年注目を集めている中型市場で、2008年度は金額で市場全体の67.4%、案件数で8割以上を占めると推察される。中型の市場は、参入企業、参入を検討している企業が最も多いため、2013年度には8割近くをシェアを占めると予測されるという。

サイズ 表示装置
大型 ビルの外壁などに設置されている150インチ超のLEDビジョンなど
中型 15~150インチの液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ
小型 15インチ未満の電子POP端末などのディスプレイ