富士通は、大規模システム向けのブレードサーバ「PRIMERGY BX900」と、サーバの導入・管理ソフトウェア「ServerView Resource Coordinator VE」を発表した。

「PRIMERGY BX900」(以下BX900)は、クラウドコンピューティングにより集約化が進むデータセンター向けのブレードサーバで、インテルのXeon プロセッサー 5500番台を搭載。おもに大規模システム、IDC/テレコム、HPC分野をターゲットとしている。

「PRIMERGY BX900」

BX900は、電力・CO2の削減、仮想化環境における運用性の向上、業務継続性の追求、次世代を見据えた高速インタフェース・大容量シャーシの4要素からなる設計・開発思想「The Dynamic Cube」に基づき開発された。

集約性では、10U(約45cm)のラックに18台を収容できるが、これは、同社がベンチマークを利用して測定したところによると、2004年モデルであるPRIMERGY BX200、230台分に相当するという。また、40GbpsのInfiniBandや8GbpsのFibre Channelに対応するほか、10Gbps Ethernetスイッチを内蔵している。これは、新たに開発したチップにより実現され、このチップで10Gbps 26ポートをサポートする。また、1チップ化により、レイテンシーや電力消費量は従来比の3分の1になったという。

先端技術を搭載

26ポートの10Gbps Ethernetが1チップ化された LSI

省電力化では、きめ細かなファン回転制御、電源ユニットの変換効率を80%から90%に向上、冷却効率を追求したエアーフロー設計により、従来機比で40%省電力化を実現したという。

省電力化

運用性の向上では、仮想環境の動的変化を見える化し、サーバ・ストレージ・ネットワークの最新状況がを把握できるようにするサーバの可視化・自動化ソフトウェア「ServerView Resource Coordinator VE」をリリースしている。この製品は従来「Systemwalker Resource Coordinator」として提供していたものだ。

この製品では、物理サーバのほか、仮想サーバ、ネットワーク状況をビジュアルで表示する。また、障害情報も表示するほか、物理サーバの電源のON/OFFも行うことができる。

「ServerView Resource Coordinator VE」。物理サーバ、仮想サーバそれぞれのサーバの役割、電源の状態などを表示する

異常があった場合、影響を与えるサーバも表示する

「PRIMERGY BX900」の価格は、シャーシが68万円から、PRIMERGY BX920 S1 サーバブレードが20万2,000円からで、7月末より提供が開始される予定だ。

左からストレージブレード(PRIMERGY SX910 S1)、サーバブレード(PRIMERGY BX920 S1)、ストレージブレード(PRIMERGY SX940 S1)

一方の「ServerView Resource Coordinator VE」の価格は、21万円からで、6月末から提供される。

富士通 経営執行役常務 システムプロダクトグループ長 山本正巳氏

富士通の野副社長は、2008年度の決算発表の席上、2010年度にワールドワイドでIAサーバを50万台販売することを目標として掲げたが、富士通 経営執行役常務 システムプロダクトグループ長 山本正巳氏は、2008年27万台の販売実績により4%のシェアとなっているIAサーバ市場を、2010年にシェア7%にし、将来的にはシェア10%を目指す考えを明らかにした。そのための施策として山本氏は、グローバルに統一された製品提供、開発体制のドイツへの1本化、グローバル調達センターを設立し、調達窓口を1本化するなどのサプライチャーン最適化によるコスト競争力強化を実施することを明らかにし、何より新製品を早期に投入することが重要であるとの考えを示した。

現状4%のワールドワイドでのIAサーバシェアを、将来的には10%を目指すという