日本CAは5月11日、バックアップ&レプリケーションソフトウェアの最新版「CA ARCserve r12.5シリーズ」を発表した。同製品は、バックアップソフトウェア「CA ARCserve Backup」とレプリケーションソフトウェア「CA ARCserve Replication」「CA ARCserve High Availability」から構成される。
同社でパートナー営業本部本部長を務める今野芳弘氏は、「これまで、バックアップソフトウェアとレプリケーションソフトウェアが融合された製品を使いこなすには、設計・運用などのスキルが不可欠であり、それらを蓄積するためのコストが必要だった。しかし、ARCserve r12.5はバックアップとレプリケーションを一体で利用することが前提として設計されているため、容易に使いこなせ、それによりデータ保護に要するコストを抑えられる」と、同製品の強みをアピールした。
同社の調べによると、IAサーバにおける有償バックアップソフトウェアの導入率は32%であり、同社は残りの68%に対しシェアを拡大していく構えだ。バックアップソフトウェアを未導入のサーバの状況は「Windowsの標準機能を利用」「外付けハードディスクにコピー」「同一筐体内でコピー」「何もしていない」と4つの状況に分類され、Windowsのバックアップ機能を利用しているサーバに対してはARCserve Backupの訴求を進め、他の3つに対してはCA ARCserve Replicationで容易なデータ保護の普及を進めていくとしている。
CA ARCserve Backup r12.5の新機能のうち、企業に最も訴求力のあるのは「データ・デデュプリケーション」「仮想環境のサポートの拡張」だという。
データ・デデュプリケーションとはデータの重複を排除した形でデータをバックアップすることだ。差分・増分バックアップやSIS(Single Instance Strage)がファイル単位でバックアップを行うのに対し、データ・デデュプリケーションはブロック単位でバックアップを行う。
通常、データ・デデュプリケーションはオプションとされることが多いが、同製品には標準で装備されている。また、同製品では、サーバの状況に応じて、バックアップ処理中とバックアップ後が組み合わせて処理が実施されるのも特徴だ。
また、仮想環境に関する拡張機能としては、「Windows Server 2008 Hyper-V」「VMware」を同一のGUIで管理できるようになった点が挙げられる。旧バージョンではファイルモードでバックアップした場合のみリストアが可能で、さらに、ファイルをリストアした後に手動でコピーする必要があった。対する新版では、rawデータのバックアップからファイルを直接リストアできる。
一方、ARCserve ReplicationとARCserve High Availabilityの違いは、後者が前者の高機能版で、スイッチオーバ・スイッチバック機能が装備されている点だ。ARCserve High Availabilityでは、サーバの稼働状況を監視して状況に応じ、サーバの切り替えを行う。
r12.5より、ARCserve Backupとの連携機能が装備された。これにより、ARCserve Backupの管理画面からARCserve Replication/High Availabilityを呼び出すことが可能になった。加えて、旧バージョンでは、Backup側でのジョブ開始後に、「Replicationの一時停止」、「Backup実行」「Replication再開」を行う必要があったが、r12.5ではこれら3つの作業が不要になった。
同シリーズの提供価格と出荷開始日は次のとおり。
製品名 | 参考価格(税抜) | 出荷開始日 |
---|---|---|
CA ARCserve Backup | 15万円~ | 6月10日 |
CA ARCserve Replication | 19万8,000円~ | 7月1日 |
CA ARCserve High Availability | 39万8,000円~ | 7月1日 |