ミック経済研究所は、同社の登録モニターで従業員100人以上の企業6,000社を対象にした「大手・中堅・中小ユーザー4,670法人の情報漏洩防止型セキュリティソリューションの導入実態調査」(有効回答数は4,670社)の結果を発表した。
それによれば、情報漏洩防止型セキュリティソリューションの導入率は最も高い分野でも40%弱にとどまり、平均で10%強にすぎないという。
分野別の導入率が最も高いのはWebフィルタリングの39.6%であり、以下、監視・制御系(23.5%)、電子メールフィルタリング・アーカイブ(22.3%)、暗号系(13.5%)と続く。全12分野のうち導入率10%未満が8分野あり、全体の平均でも10.0%にとどまっている。
Webフィルタリングの導入状況を従業員規模別に見ると全ての区分で高く、とりわけ1,000人以上では57.4%に上る。また、300人以上の大手・中堅法人でも47.7%に達した。
業種別では全ての業種で30%以上を示し、自治体・公共が67.7%とひときわ高く、金融・証券・保険も45.7%と高い。導入形態ではISP業者のオプションサービスとしての提供が32.2%を占め、導入率向上に寄与している。その他の導入形態は、ソフトウェアが56.1%、アプライアンスサーバが11.7%だった。
Webフィルタリングの主眼は、法人の信用性に移りつつあるという。Webサイトにどの企業・組織からアクセスしたかの把握は容易であり、企業の信用失墜にも繋がりかねない危険性があるためだと、ミック経済研究所は分析する。
監視・制御系の導入率は平均を大きく上回り、またISP業者のサービス提供が無いため、ソフトウェアとしての導入率はWebフィルタリングを抜き、全分野を通じて最も高い。
従業員規模が大きくなるほど情報漏洩防止や内部統制の意識が高まり、導入率も比例して高くなっている。業種別では金融・証券・保険が48.6%、自治体・公共が41.1%で、いずれも4割を超えた。
暗号系はファイル暗号化とHDD暗号化に大別でき、大半の企業では用途に応じて使い分けているが、従業員1,000人以上の企業では2割程度が併用している。業種別では金融・証券・保険が47.1%と高い。同市場はリプレース市場と目されることが多いが普及率は13.5%にとどまっており、新規開拓の余地が充分にある成長市場だとミック経済研究所はみている。