富士通の半導体子会社である富士通マイクロエレクトロニクス(FML)は5月8日、H.264方式ならびにMPEG-2方式の映像データおよび音声データを消費電力1Wで双方向に変換するフルHD(1920×1080)対応トランスコーダLSI「MB86H57」「MB86H58」を開発したことを発表した。いずれも7月下旬よりサンプル出荷を開始、2009年末もしくは2010年初頭に量産を予定し、初年度で月産20万個の販売を目指すという。
同製品は65nmプロセスを採用しているほか、512MビットのFCRAMを搭載(FCRAM部は70nmプロセスで、SiPで1パッケージ化している)。また、富士通研究所が開発した独自のアルゴリズムを採用したことにより、フルHDでのトランスコード時の消費電力を1Wに抑制することに成功している。
さらに、オーディオトランスコード機能やデジタル放送のコンテンツ保護に必要となるセキュリティ機能、でモジュレータ接続インタフェースなどの機能を1チップに集積することでカスタマのシステム構成を容易にすることが可能だ。
このほか、外部CPUとの接続に用いるホストインタフェースとして16ビットパラレルインタフェースと映像ストリームのインタフェースであるTSインタフェースに加え、シリアルインタフェース、PCI、PCI Express、USBを搭載し、周辺LSIとの接続性を向上させている。