総務省は7日、2009年3月に実施した地上デジタル放送対応受信機の普及率などに関する調査の結果を発表した。これによると、デジタルテレビやチューナーなどの地上デジタル放送対応受信機を保有している世帯は60.7%となり、初めて6割を超えた。

今回総務省が行ったのは、「地上デジタルテレビ放送に関する浸透度調査」。全国の15歳以上80歳未満の個人を対象に、2009年3月に実施。有効サンプル数は12,375だった。

これによると、地上アナログテレビ放送停波の時期については、89.6%が2011年と回答。2009年1月に実施した「デジタルテレビ放送に関する移行状況緊急調査(2009年1月)」では77.8%だったのに比べると大幅に上昇した。

デジタルテレビやチューナーなどの地上デジタル放送対応受信機を保有している世帯は60.7%となり、初めて6割を超えた

また、地上デジタルテレビ放送対応受信機の世帯普及率は、「チューナー内蔵テレビ」「チューナー内蔵録画機」「外付けチューナー」「チューナー内蔵PCもしくはPC用の外付けチューナー」「セットトップボックス(CATV)」のいずれかを保有している世帯が60.7%となり初めて6割を突破。2009年1月に実施した上記緊急調査で世帯普及率が49.1%だったのに比べると、2カ月余りで11ポイントもの大幅な上昇となった。

これらの購入動機についての質問(複数回答)では、「故障などに伴うテレビの買い換え時期だったから」が最多で43.0%。次いで「現在のアナログテレビ放送が終わることを見越して」が36.3%、「薄型テレビが欲しかったから」が35.3%、「ハイビジョン放送などを見たかったから」が29.3%などとなっている。

都道府県別の地上デジタルテレビ放送対応受信機の世帯普及率は、福井県が68.6%で最も高く、次いで三重県(67.3%)、滋賀県(67.0%)。逆に世帯普及率が低かったのは、沖縄県(37.1%)、岩手県(47.8%)、長崎県(48.5%)などで、地域別に大きな格差があることが分かった。

都道府県別の地上デジタルテレビ放送対応受信機の世帯普及率は、福井県が68.6%で最も高く、沖縄県(37.1%)が最も低かった

さらに今回、共同受信施設における地上デジタル放送への対応状況も調査。集合住宅で地上デジタル放送を視聴するためには一般的に、分譲集合住宅の場合、必要に応じて共同受信施設を改修することについて「管理組合などでの話し合い」を行い承認が得られた後に「共同受信施設の改修工事」が必要になる場合がある。賃貸集合住宅の場合も、集合住宅の所有者が「共同受信施設の改修工事」を進めていく必要があり、今回の調査ではこれについての認知度も調査した。

その結果、分譲集合住宅に住んでいる人のうち、59.5%が「知っている」、37.8%が「知らない」と回答。賃貸集合住宅に住んでいる人は、47.3%が「知っている」と回答したものの、48.2%が「知らない」と答えた。

これについて総務省では、「これらの視聴者や管理組合に対して具体的受信方法などを提示するなど、周知広報を強化していく必要がある」としている。