IDC Japanは5月7日、国内ユニファイドコミュニケーション(以下、UC)市場について、2008年の同市場の分析と2009年~2013年の市場予測を発表した。同発表によると、2008年の国内UC市場は、前年比2.9%増の1,865億円。
同社は、UCを「IPネットワークを活用して企業における既存のワークフローを改善し、新しいビジネスフローを創造する通信手段」と定義し、2007年から継続した市場調査を行っている。
今回の市場規模予測は、UC市場を、IP-PBXや企業向けVoIPサービスなどを含む「UCプラットフォーム市場」、ユニファイドメッセージングやIP会議システムなどを含む「UCアプリケーション市場」、SIサービスなどを含む「UCプロフェッショナルサービス市場」の3つの市場セグメントに分類して行われた。
この3つの市場の規模予測は、UCプラットフォーム市場が前年比0.7%増の1,159億円、UCアプリケーション市場が同6.4%増の583億円、UCプロフェッショナルサービス市場は同8.8%増の123億円となっている。
同社は経済状況の変化に伴う企業の設備投資動向は国内UC市場にも影響していると分析しており、ハードウェアが中心のUCプラットフォーム市場では価格低下や企業の設備投資抑制の影響が大きく、成長率が鈍化したとしている。一方、UCアプリケーション市場では、経済状況の変化にかかわらず、IP会議システムやIPコンタクトセンターシステムが堅調な成長を遂げ、国内UC市場を牽引しているという。
国内UC市場がUCアプリケーション市場とUCプロフェッショナルサービス市場に牽引される傾向は中期的に継続すると、同社では予測。同市場は2009年には前年比5.2%増の1,962億円になり、また2008年~2013年の年間平均成長率(CAGR)4.7%で成長し、2013年の同市場は2,352億円の規模に達するとのこと。同市場のソリューション別市場では、企業向けVoIPサービス市場、IP会議システム・テレプレゼンス市場、IPコンタクトセンター市場が高い成長率を維持するとの予測が示されている。