NECは5月7日、仮想マシン(VM)型シンクライントから収集した負荷データに基づき、稼働しているサーバの電源を適切にオン・オフするなど、データセンターにおけるグリーン運用管理を実現するソフトウェア技術を開発したことを発表した。

同技術は数万台の規模でシンクライアントを一括管理するデータセンターにおいて、シンクライアント利用時に発生する大量の負荷データをリアルタイムに収集して、サーバ全体の状態を把握するというもの。

同社は、6万台のVM型シンクライアントによるシミュレーション環境を構築して1分ごとにサーバのCPU負荷データを収集し、約200秒の間隔でVMの配置変更が可能であることを確認している。また本シミュレーション環境で、実際のデータセンターの負荷データを用いてVM配置変更を行った結果、約38%のサーバの電源をオフにできる可能性があることが確認されており、消費電力に換算すると約35%の削減効果となる。

大量のデータ収集には、同社が2月に発表した「大量のセンサデータを収集・分析する大規模データストリーム処理技術」が用いられている。また、連続して発生する大量の負荷データからサーバとVMの負荷状況を高速に予測する「逐次回帰予測アルゴリズム」、すべてのVMの負荷予測値をもとに、各VMをどのサーバ上で実行させるのが適切かを高速に計算し、VMの配置変更を行う「サーバ・グルーピングVM配置制御方式」が開発された。

今回発表した技術の一部は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受けて、同社が実施した「エネルギー使用合理化技術戦略的開発事業」における研究開発の成果。