この展覧会には行っておきたいな、と思いつつ気づけばいつの間にかお目当てのものが終わっている、なんてことはよくある話し。開催期間をチェックしておいても、仕事やらなにやらでバタバタとしてしまい、いざ時間を作ったところで億劫になって結局足を運ぶこともなかった。そんな経験は、学生であれ社会人であれ、少なからずあるのではないだろうか。そんなこんなで見逃してしまう展覧会ほど、後になって「見ておくべき内容だった」などと言われたりすることが多いのもまた世の常。

2009年のGWは最大8連休。この大型連休を使って気になる展覧会を一気に堪能してみるというのはどうだろう。そこまで網羅しなくても良いとお考えの方にも、近くまで寄ったなら是非見てもらいたい、そんな展覧会の数々を紹介したい。GW中に開催されている、アート、デザイン、写真に映像、建築から印刷まで、オススメの展覧会10展を一挙に紹介してみよう。

池田亮司 +/-[the infinite between 0 and 1]展

(C)ryoji ikeda 2008 Commissioned by Ars Electronica Centre, Linz AT Photo: Liz Hingley [参考図版]

電子音楽の第一人者であると同時に、海外からも高い評価を受ける作曲家/アーティストである池田亮司氏。本展覧会では池田氏の活動を大きく「光=視覚」「と「音=聴覚」のふたつに分け、インスタレーション作品をメインに展示をするというもの。すべての作品が音と光りを素材にした、池田亮司の世界を身体全体をもって体験できる展示。

会期 開催中-6月21日(日)
会場 東京都現代美術館 企画展示室1F、B2F
料金 一般1,000円/学生800円/中高生、65歳以上500円
開場 10時~18時
詳細 こちらより

GRAPHIC TRIAL 2009

植原亮輔氏の構想は「質感と視覚効果で立体に迫る」

グラフィックデザインと印刷表現の関係を深く追求し、新しい表現を獲得するための試み。第一線で活躍するクリエーターがさまざまな印刷表現に挑戦する実験企画。2009年は、秋田寛氏、植原亮輔氏、佐野研二郎氏、八木克人氏の4名が、参加し、オフセット印刷のみでどのような表現ができるかを、凸版印刷のプリンティングディレクターと共に実験を重ねた。展示は、アイディアと印刷技術を組み合わせて完成したポスターとその制作過程におけるトライアルを紹介する。

会期 開催中-7月26日 月曜休館(5月4日 / 7月20日は開館)、5月7日 / 7月21日は休館
会場 印刷博物館 P&Pギャラリー
料金 無料
開場 10時~18時
詳細 こちらより

ヴィデオを待ちながら 映像、60年代から今日へ

ヴィト・アコンチ《センターズ》1971年 Courtesy Electronic Arts Intermix(EAI), New York.

アメリカ、ヨーロッパ、日本における60年代から現在に至るまでの映像作品約50点が一挙に公開され、映像隆盛のスタート地点である60年代から70年代の作品を大規模に検証する、国内初の展覧会。現在も生み出される映像作品を理解する上で欠かせない1960年代の作品から、1970年代の可能性を引き継ぐ今日の作品までが展示される。出品作家は、アンディ・ウォーホル、ヴィト・アコンチ、ブルース・ナウマン、リチャード・セラ、デニス・オッペンハイムなど約25組。

会期 開催中-6月7日
会場 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー
観覧料 一般:850円、大学生:450円
開館時間 10時から17時(金曜日は10時から20時、入館は閉館の30分前まで)
休館 月曜(5月4日は開館)、5月7日(木)
詳細 こちらより

made in Cassina

カッシーナの哲学が詰まった「made in Cassina」展 (C) Cesare CHIMENTI

300年以上の歴史を誇るモダンデザインのリーディング家具ブランド、カッシーナ。その歴史と哲学を紐解く特別展。2008年4月から9月にかけてイタリア、ミラノで開催された「made in Cassina」の巡回展でもある。100点以上のチェア、テーブル、ソファ、解体したプロダクトや製品化以前のプロトタイプの展示に加え、写真、図面、映像なども盛り込みCassinaに受け継がれてきたものづくりの哲学を紹介する。

会期 開催中-6月7日(日)
会場 森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
入場料 一般1,000円/学生800円/子供500円
開場 10時から20時(月火水・日・祝日)
10時から21時(水・金・土・祝日前・4月29日から5月6日)
詳細 こちらより

Editor's Choice

RING CUBEでの展示風景より

銀座のリコーフォトギャラリー「RING CUBE(リング キューブ)」にて行われているのは、雑誌のエディターが推薦する15人の若手写真家の展覧会「Editor's Choice -雑誌が選ぶ、今最も期待する若手写真家展-」。若手の写真家が活躍している雑誌媒体を中心にして、11雑誌のエディターが推薦する15名の写真家による作品が展示されている。期間中は、来場者による写真家への投票も行われ、その結果を踏まえた写真展が一年後に行われる予定。

会期 開催中-6月1日(月)
会場 RING CUBE ギャラリーゾーン
入場料 無料
開場 11時から20時
休館日 火曜日
詳細 こちらこちらより

その他、オススメの展覧会

JAGDA TOKYO

1年間という期間限定でオープンした、グラフィックデザインのギャラリースペース。ギャラリーでは、JAGDA会員のグラフィックデザイナーが2人1組となり、1週間ごとに展示内容を入れ替える「1週間展覧会」が企画されている。

20 クライン ダイサム アーキテクツの建築

東京を拠点に活動する建築家、アストリッド・クラインとマーク・ダイサムによるクライン ダイサム アーキテクツの20年にわたる建築プロジェクトやデザイン活動を紹介する。

チェコのキュビズム

パヴェル・ヤナーク、ヨゼフ・ゴチャール、ヨゼフ・ホホルといったキュビズム建築運動の中核的存在であった3人の作品を通して、日本ではあまり紹介されてこなかったキュビズム・スタイルを紹介。

万華鏡の視覚

ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションの主力であるインスタレーション作品の数々を中心に展示。光、色、音、言語、概念、コミュニケーションを通して、人間の知覚や認識の方法に関するさまざまな実験を行うアーティストの主要作品が一堂に会する。

デザインのYES NO

約150名のクリエイターが「YES」と「NO」をTシャツとポストカードにデザインした作品を展示。出展予定のクリエイターは、青葉益輝氏、安積朋子氏、五十嵐久枝氏、杉崎真之助氏、長友啓典氏など。Tシャツは「デザインガーデン」にて数量限定で販売予定。