大手通信機器ベンダのスウェーデンEricssonは4月30日(現地時間)、2009年第1四半期(1月 - 3月期)の業績報告書を発表した。前年同期と比べ売上高は12%増加したが、純利益は30%の減少となった。子会社の不振、人員削減のための諸経費が影響した形となる。世界的な不景気の影響は、「これまでのところ限定的」としながらも、見通しは立てにくい状況としている。

同期、売上高は前年同期比12%増の496億SEK(スウェーデンクローネ、約6,120億円)、純利益は同30%減の30億SEK(約370億円)となった。1株あたりの収益は、0.54SEK(約6.6円)で、前年同期から35%減少した。

Ericssonは2009年中に5,000人の人員削減計画を敷いており、第1四半期の業績報告書にはこれにかかるコストとして7億200万SEK(約86億円)が計上されている。この人員削減に関連した経費は総額60億 - 70億SEK(約740億 - 863億円)を見込んでいるという。Ericssonではこの人員削減を中心に、2010年後半より、年間100億SEK(約1,233億円)のコスト節約を実現する目標だ。

Ericssonの社長兼CEO Carl-Henric Svanberg氏は、「世界的不景気がモバイルネットワーク市場に与える影響は、現在のところは限定的」と述べている。オペレータの中には、光ファイバなど固定網などへの長期投資を控えるところもあるが、多くは財務状態が健全で、トラフィックも堅調に増加しているという。

今後の見通しについては、中国、米国、インドなどの市場を中心に、無線ネットワークの投資は継続して行われるとしている。

第1四半期の業績には、ソニーとの合弁会社である英Sony Ericsson、それにST-Ericssonの両子会社の業績不振も影響している。中でもSony Ericssonは4月20日、2億9,300万ユーロ(約386億円)の損失を発表していた。