Freescale Semiconductorの日本法人であるフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンはデジタル・シグナル・コントローラ(DSC)「MC56F8006」ファミリを発表した。主に家電製品や産業機器におけるモータ制御のエネルギー効率向上とシステムコストの削減ニーズに対応する製品という。すでにサンプル出荷を開始しており、参考価格は1万個購入時で1.50ドルとしている。

同製品は、マイクロコントローラの機能性とデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)の処理能力を兼ね備えるためにデュアル ハーバード・アーキテクチャを採用した16ビット「56800Eファミリ」の効率的なDSCエンジンを搭載。32MHzで最大32MIPSを実現するほか、32ビットの算術論理マルチビットシフタなどが搭載されている。

また、2つの省電力ストップ・モード、周辺回路に対する個別の電源供給の停止、およびストップ・モードからの高速起動(6μs未満)など9種類の低電力モードを用意。これにより、32MHz、3.3V時でも50mAの電力消費を実現する。

さらに、オンチップ周辺回路は、モータ制御と電力変換アプリケーションの性能を強化し、外部コンポーネント数と全体のコストを削減するように設計されており、主な周辺回路は、3つの高速コンパレータ、12ビットのデュアルA/Dコンバータ(ADC)、2つのプログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)、および最大6個の出力をもつPWMとなっている。

このほか、開発作業の軽減を目的とするソフトウェア・ツール、デモンストレーション・ボード、リファレンス・デザイン、アプリケーション・ノート、ソフトウェア・サンプル、およびウェビナー(Webベースのセミナ)などのエコシステムが用意されており、開発者はこれらを用いて、システムの構築が可能となる。

なお、アプリケーションコードを最大32KB利用できる「CodeWarrior」のライセンスは、同社のWebサイトで登録することで無償で利用することが可能となっている。