GCC, the GNU Compiler Collection

Jakub Jelinek氏は23日(協定世界時)、GCCの最新リリース版となるThe GNU Compiler Collection 4.4.0を発表した。GCC 4.4.0は大量の新機能を含んだメジャーリリースバージョンという位置づけ。ひとつ前のシリーズとなるGCC 4.3系には含められていなかったいくつもの新機能が追加されている。

オプティマイザ部分の改善としてはGraphiteブランチがマージされたことと、レジスタアロケータが従来のものから新しくIRA (Integrated Register Allocator)に置き換わっているところが注目される。Graphiteが導入されたことでループ処理のオプティマイズに新しいフレームワークが導入されたことになる。言語サポートの面では12年ぶりに仕様が改訂されることになるC++の次世代バージョンC++0xのサポートが改善されたあたりが注目される。サポートしている言語はC、C++、Java、Fortran、Adaなど。

LLVMなど新しく設計されより多くの言語に対応しているコンパイルインフラストラクチャに注目が集まりがちだが、歴史的経緯や対応しているプラットフォーム・アーキテクチャの豊富さからOSSプロダクトとしてはGCCがコンパイラのデファクトスタンダードでありつづけている。