ロボットビジネス推進協議会は21日、ロボットに関連する技術スキルを横断的に評価できる「メカトロニクス/ロボット検定(ロボ検)」を開始すると発表した。大学・高専の学生や企業の若手エンジニアなどが対象。年2回の実施を予定しており、第1回目の試験は今年6月に開催される見込みだ。
数学、物理学、エレクトロニクス、メカニズム、ソフトウェアなどの「知識領域」と、アクチュエーション、システム、センシングなどの「技術領域」を組み合わせ、体系化したのが特徴。ロボット技術者に必要となる幅広い分野から出題され、受験者は、自分にどの知識が不足しているのか、客観的に知ることができる。
出題数は50問程度、制限時間は90分。解答はマークシート方式で行われる。受験後、Webサイトにログインすることで、正解率、偏差値、会場順位、全国順位などを記したスコアレポートの閲覧が可能になる。科目別の得点が表示されるほか、自分の結果に対する評価も見ることができる。
ロボ検を立ち上げた経緯について、ロボットビジネス推進協議会の飯倉督夫事務局長は、「ロボットの技術開発には国から大きな資金が支出されているが、その割には、いまだに身の回りでロボットは使われていない。商品開発のほかに、ロボットを使ったビジネスを考え出すことが重要ではないか。そのためには人材の育成が必要と考えた」と説明。
ロボ検によって、教育現場や採用現場で使える分かりやすい評価指標を確立し、メカトロニクス・ロボット技術者の育成を支援、日本のモノ作りを強化する一翼を担うことを目指すという。
検定の運営はロボテストが担当する。同社の谷口恒代表取締役社長は、「ロボットの開発はZMPで9年間経験している。そのノウハウを活かしたい」と挨拶。「機械系の人は電気やソフトに、電気系の人は機械やソフトに弱かったりする。ロボットを目指すのであれば、バランスのとれた学習が必要。自分に足りないところを客観的に見て、自己啓発に繋げて欲しい」と期待を述べた。
第1回目の試験の日程は、個人向けが6月20日(土)、学校や企業などの団体向けが6月15日(月)~26日(金)。個人向けの試験会場は、大手町野村ビル17F(東京都千代田)の1カ所のみ。団体向け試験(3名以上)は、それぞれの施設内での実施が可能だ。受験料は、学生が4,900円、一般が8,800円。