米Yahoo!は4月21日 (現地時間)、2009年第1四半期(1-3月)決算を発表した。売上高は15億8,000万ドルで、前年同期の18億1,800万ドルから13%減。純利益は1億1,800万ドル(希薄後1株あたり利益: 0.08ドル)。前年同期の5億3,700万ドル(同0.37ドル)から78%の落ち込みとなった。1月にCarol Bartz氏がCEOに就任してから実質的に初の業績発表として注目されたが、景気減速の影響が色濃くあらわれた大幅な減収減益だった。
減収の要因としてYahoo!は、為替変動、Kelkooの売却、VoIPサービスや音楽サブスクリプションなどからの料金収入の減少などを挙げている。会費などの料金収入は1億9,700万ドルで前年同期比20%減。また景気低迷に伴う広告市場の減速も影響した。マーケティング・サービスの売上高は前年同期比12%減の13億8,300万ドル。内訳はYahoo!傘下のサイトが8億7,200万ドル (前年同期比10%減)、アフィリエイト・サイトからの売上が5億1,100万ドル(同16%減)だった。
依然として厳しい状況が続くが、CEOのCarol Bartz氏は「Yahoo!も景気減速に抗することはできないが、第1四半期は注意深いコスト管理によって営業キャッシュフローが予測範囲の上限を実現した」とコスト体質の改善効果を強調した。同社はまた、追加で全従業員の約5%に相当する人員を削減する計画を明らかにした。ただし、今回の削減は過去2回とは異なるものになりそうだ。昨年末からの人員削減は重複している人員の整理などコスト削減を目的としていた。今回の業績発表においてBartz氏は、ユーザーの利用体験の向上を目標に分散しているサービスを統合していく計画を再確認した上で、新しいYahoo!を実現するための新スタッフの必要性を説いた。コスト管理に止まらず、Bartz体制を整えるための人員削減となる可能性がある。
なお第2四半期の見通しについては、売上高を14億2,500万-16億2,500万ドル、営業利益を8,000万-9,000万ドルとしている。