日本HPは、UNIX OSの最新バージョン「HP-UX 11i v3 update 4」、UNIXベースの仮想化ソフト「HP Integrity VM 4.1」、およびクラスターソフト最新バージョン「HP Serviceguard 11.19」をリリースした。

これら3つのソフトは相互に連携し、顧客ニーズの高いITコスト削減に向けたソリューションを提供する。

日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 BCSビジネス本部 本部長 上原宏氏

日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 BCSビジネス本部 本部長 上原宏氏は、「コスト削減は2009年のIT市場最大のキーワードだが、性能が同じであれば、安いサーバやOSを使えばコスト削減になるとの誤解がある。ユーザーは、初期導入コストに目が向きがちだが、コスト削減はシステムの可視化、信頼性があってはじめて実現する」「仮想化はVMwareやHyper-Vといったx86プラットフォームで普及しているが、UNIXのほうが先行していた」と述べ、これまで基幹業務系での歴史がある、UNIXの信頼性の高さをアピールした。

「HP-UX 11i v3 update 4」では、電力消費の削減と、OSアップデートにおけるサービス停止時間の低減の機能が追加されている。電力消費の削減では、インテル Itaniumプロセッサの使用率をHP-UX側から制御することにより実現しているという。一方OSアップデートについては、起動OSの複製を用意し、パッチ等はそちらに当て、起動OS切り替えるという方法によって、停止時間の削減を図っている。

「HP-UX 11i v3 update 4」の機能強化

「HP Integrity VM 4.1」では、オプションで稼働中の仮想OSを、サービスを停止することなく、他の物理サーバ上に移動させる「HP Integrity Online VM Migration」機能(価格は税込12万6,000円から)が新たにサポートされた。

「HP Integrity VM 4.1」の機能強化

「HP Serviceguard 11.19」では、フェールオーバー時間を従来の30秒程度から4秒程度に短縮したという。これは、接続されている各ノードの状態を把握する処理の最適化により実現したという。また、従来の2ノード構成のみから、複数ノード構成にも対応した。

「HP Serviceguard 11.19」によるフェールオーバー時間の短縮

また、「HP Integrity VM 4.1」と「HP Serviceguard 11.19」による仮想環境のフェールオーバーでは、従来ゲストOSとサーバ本体の死活監視のみだったが、今回からゲストOS上のアプリケーションの死活監視も可能になったという。

「HP Integrity VM 4.1」と「HP Serviceguard 11.19」によるアプリベースのフェールオーバー

価格は、「HP-UX 11i v3 Virtual Server」が、1コアあたりのライセンスで102万3,750円から、「HP Serviceguard 11.19」が1コアあたりのライセンスで40万8,450円からとなっている。

キャンペーンと導入支援サービス

さらに日本HPでは今回のリリースにあわせ、HP-UXの導入支援サービスと、9月30日までのキャンペーンもスタートする。

導入支援サービスでは、HP-UXのインストールやパラメータ設定など基本導入を支援する「HP-UXスタートアップサービス」(HP Integrityサーバ1台あたり税込42万から)、クラスターの基本導入をサポートする「HP Serviceguardインプリメンテーションサービス」(HP Integrityサーバ1台あたり税込105万円から)、仮想化環境の基本導入をサポートする「HP Integrity Virtual Machineスタートアップサービス」(HP Integrityサーバ1台あたり税込94万5,000円から)の3つをスタートする。

導入支援サービス。これらは、サーバリースプログラム「HP Care Pack」に含めることも可能だという。

キャンペーンは、「HP-UX 25周年記念 “2 for 1”キャンペーン」と呼ばれるもので、仮想化機能を含むHP-UXのOSとソフトウェアをひとまとめにした「OE」(Operating Environment)を、1ライセンス分の価格で2ライセンス提供するというものだ。期間は4月21日から9月30日までだ。

、「HP-UX 25周年記念 “2 for 1”キャンペーン」