マイクロソフトは4月20日、2007年11月に提供開始したOffice Communications Server 2007の最新版であるR2を発表した。提供は5月1日を予定している。
Office Communications Server 2007(以下 OCS 2007)は、IP電話、電子メール、インスタントメッセッンジャー、Web会議、ボイスメールなどのユニファイドコミュニケーションを統合管理する製品。
OCS R2では、ユーザーからのフィードバックを元に、音声機能を中心に機能の改善・強化を行ったという。
主な強化ポイントは以下の通り。
・アテンダント コンソールと代理機能
新しいツールである「アテンダント コンソール」が追加され、日本のビジネスシーンでよくある、部署の代表にかかってきた電話を、担当者に転送する機能が追加された。
・デスクトップ共有
デスクトップ共有機能により、社外のPCやMacintosh、Linuxなどの異なるOS環境にあるユーザーが、Webブラウザを通して、相手のパソコンの制御を行うことが可能になった。
・モビリティとワンナンバー
外出先のユーザーは、Windows Mobile 端末を利用して、在籍情報の確認や、インスタント メッセージを行うことが出来るほか、会社で使用しているのと同じ電話番号を使って受発信できる。
・ダイヤルイン会議
外部からの電話でも、電話会議システムやサービスを別途契約しなくても、OCSで一元化されたWeb会議、電話会議機能を利用できる。
・応答グループ
コールの処理(ラウンドロビン(設定した順番で着信するように制御)、長時間保留、同時着信)、ルーティング、キューイングといった着信コールに関するワークフローをユーザー自身が設定できる。
・開発環境の提供
Visual Studioなどの開発ツールを利用して、アプリケーションを連携させたり、業務システムの中にコミュニケーション機能を組み込んだりすることが可能に。
・Office Communicator Web Access の AJAXベースの開発キットを提供
Office Communicator Web Accessの機能を拡張するために、AJAXベースのソフトウェア開発キット(SDK)を提供。
価格はオープンだが、100名規模で200-300万円程度、1000名規模で2000-3000万程度になるという。また、今回ユニファイドコミュニケーションのパートナーも強化し、従来の9社から15社に拡大したという。
執行役員 インフォメーションワーカービジネス本部 本部長 横井伸好氏は、「人々は(音声、電子メール、インスタントメッセンジャー、Web会議などを)、別々の機械やツールをそれぞれの判断で使い分けており、無駄である。マイクロソフトのユニファイドプラットフォームは品揃えの良さが特徴であり、これらを単一のUI、単一の管理で利用できる」とOCSの優位性を強調した。
Office関連製品の今後のロードマップ
横井氏は、次期Office関連製品(コードネーム:Wave 14)の今後のロードマップを発表し、Exchange Serverを今年の後半に、新しいOfficeであるOffice 14は、来年前半、Office14の少し後に次期OCSをリリースする予定だという。
Officeは、今年の第3Qにテクニカルプレビュー版をリリースする予定で、PC版に加えブラウザで利用するバージョンや、モバイル版の3つのバージョンを出し、それぞれを行き来しながらドキュメントの作成が可能になるという。また、SIEBEL、Oracle、SAP、PeopleSoftなどの製品のフロントエンドとして利用できるようになるという。