米Google傘下のYouTubeが映画スタジオらとの提携で、映画やTVドラマなどの長編動画をそのまま配信することを計画している。米Wall Street Journal (オンライン版)が4月16日(現地時間)付けの記事で報じている。提携先には米Sony Picturesなど複数のパートナーが含まれる見込みで、YouTubeを自身のコンテンツ配信インフラとして活用することになる。今回の提携には、YouTube対抗を目指して米メディア大手らが共同で設立した動画配信サイト「Hulu」への牽制という意味合いがある。
ユーザーからの投稿コンテンツなど、短めの動画を中心に構成されるYouTubeは、動画コンテンツSNSとして全世界で広く利用されている。このようにアマチュアコンテンツが主力だったYouTubeだが、近年では提携パートナーに対して専用ページだけでなく広告スペースの開放も行うようになり、いわゆるプロフェッショナルなプレミアコンテンツの比率が増えつつある。一方のHuluは2007年末にサービスを開始したばかりの動画サイトで、米国の5大ネットワークを構成するNBC Universalと(Foxなどを傘下に抱える) News Corp.の2社が共同運営している。YouTubeとは異なり、こちらはメディア自らがオンライン動画配信を行うプレミアコンテンツを当初から主眼に置いている。後にHuluの経営にはWalt Disney傘下のABCも加わるようになり、コンテンツの配信を開始している。
Huluについては、前述のSony Picturesもコンテンツ配信で提携を行っており、今回のYouTubeとの提携でさらにコンテンツ配信の場を拡大することになる。WSJによれば、いくつかのTVプログラムと15本の映画をフルサイズでYouTubeに配信することで合意しているという。