米シトリックス・システムズは、Webアプリケーションのパフォーマンスを高速化・最適化するアプライアンス製品「Citrix NetScaler」に、Web2.0のアプリケーションに対応し、Webサーバの負荷を低減する新機能「Web 2.0 Push」を搭載したと発表した。

なお、「Web 2.0 Push」機能は、既存のユーザーは無償でアップグレードできる。

米シトリックス・システムズ NetScaler製品グループ担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのクラウス・オスターマン氏は、Web 2.0 Pushを導入した背景について、次のように述べた。

米シトリックス・システムズ NetScaler製品グループ担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのクラウス・オスターマン氏

「現在のWebアプリケーションは、オーティオやビデオのダウンロードが増え、よりトラフィックが増加しているのと同時に、よりインタラクティブになっている。Web1.0では、1つのリクエストに対し、1つレスポンスを返すという同期的なフローであったが、Web2.0のアプリケーションでは非同期的となり、1つのリクエストに対して複数のレスポンスが返り、それが継続していくという特徴がある。そのため、セッションが確立されている期間が長くなる。また、Web1.0では、情報の更新時にブラウザをリフレッシュしなければならないが、Web2.0では、サーバから自動的にプッシュされ、その結果、Web2.0ではユーザーとサーバが1対1の関係になり、ユーザーが接続している間、そのサービスはずっとオープンのままになる。そのため、一人のユーザーでサーバリソースをかなり消費する結果となっており、サービス提供業者は、サーバを増強する必要に迫られている。そして、この問題の解決策として我々が提供するのがWeb2.0 Pushだ。」

Web2.0 Pushのキーなるのが、「Connection Labeling Protocol」だという。これは、サーバが管理していたユーザーのコネクションをNetScalerで行うというものだ。NetScalerにはユーザーのリクエストを受けつけるClient-VIPと、応答を返すためのサーバとのコネクションPush-VIPが作成される。これらはユーザーから要求されるサービスごとにラベリングされる。そのため、複数のユーザーから同じサービスのリクエストが来た場合は、NetScalerにプールされた共通のラベルが利用され、NetScalerにキャッシングされた情報が順次配信される。オスターマン氏によれば、このような技術は業界初で、これによりサーバの90%を削減することが可能だという。

Web2.0 Push

なお、このサービスを利用するには、シトリックスから提供されるPythonスクリプトを、サービス提供側で改変して利用する必要があるという。