ノークリサーチが年商5億円以上-500億円未満の企業7,000社を対象にした、「2009年版中堅・中小企業のPCサーバ導入実態と展望」による(有効回答数は1,168社)と、中堅・中小企業のサーバ用途で、認証管理システムの新規導入が見込めるという。

サーバ用途ごとのメーカー別シェアでは、基幹系業務システム/社内情報構築システム/基本情報インフラの3分野で富士通が首位に立っている。NECは基幹系業務システムと基本情報インフラで2位だったが、社内情報構築システムではIBMに2位を譲り、3位に甘んじた。デルはファイルサーバなどミッションクリティカルでない用途が多く、基幹系や社外システムでの比率は依然として低い。

サーバ用途ごとのメーカー別シェア(出典:ノークリサーチ)

サーバの購入先を用途別に見たところ、基幹系業務システム/顧客管理系システム/データベース利用ではシステム開発を主体とした販社やSIerの比率が高く、社内情報構築システム/基本情報インフラ/部門内利用では逆の傾向を示している。

サーバ用途ごとの購入先の比率(出典:ノークリサーチ)

認証管理システムはベンダ色がまだ強くない用途であり、セキュリティ対策を必要とする中堅・中小企業がOS付属の認証管理システムを活用するなどのニーズを喚起すれば、新規のサーバ導入へ結び付けられる可能性があるという。

サーバのCPUの種類を見ると、1wayおよび2wayのシングルコアが7割強を占める。中堅・中小企業が利用する業務アプリケーションにはマルチコアのメリットを享受できるものがまだ少ないことが、その理由だ。

サーバのCPUの種類(出典:ノークリサーチ)

サーバ形状に関してはブレードの伸び率がやや鈍化しているが、今後ブレードとラック型の伸び率は同程度になるとノークリサーチは予想する。

サーバ形状の比率の推移(出典:ノークリサーチ)

サーバのOS種類では、2002年以前に導入したWindows NT Serverなどのレガシー資産が依然として残っており、2002年以前に導入したサーバのOSには独自OSも多く、その多くはメインフレームやオフコンであると推測されるという。

サーバのOS種類別の導入年(出典:ノークリサーチ)

これらレガシー資産の移行は容易ではないとしながらも、仮想化技術の普及により従来よりもハードルが下がりつつあるとノークリサーチはみている。サーバベンダはVMwareやCitrixなど仮想化ベンダとの協業も含め、ユーザ企業が無理なく実施できるレガシー資産のマイグレーション手段を検討する時期に差し掛かっていると、ノークリサーチは指摘する。