ビーブレイクシステムズは4月10日、システム業界における景気動向をまとめたレポートを発表した。同社は自社で手がけたシステム案件などをもとに現場の目線で分析したシステム業界の景気動向を定期的に発信している。

同社によると、開発プロジェクトの予算の縮小傾向はここ数ヵ月続いているが、4月から5月ごろにかけてさらに縮小するプロジェクトが増えてきているという。ただし、一時期多く見られたプロジェクトの中断はそれほど行われていないとのこと。

プロジェクト自体の予算額が縮小されているため、プロジェクトへの参画メンバーを減らしたり、単価を下げたりなどといった形で、プロジェクトのコストを削減する動きが見られる。

一方、一部の企業・業界ではプロジェクトを開始するなど、システム投資を進めているところもある。例えば、通信関連業では通信系システムの改修や構築を行うプロジェクトが要件定義段階からスタートしており、また、専門サービス業では新しい業務システムの構築の検討を始めている。このように、比較的不況の影響を受けていない企業は積極的なシステム投資に向かっている。

また、中堅企業の中には、既存システムの保守料金や追加改修にかかるコストの高さを理由に、コスト削減を目的としてより安価なシステムへのリプレースを実施・検討しているケースがしばしば見受けられる。この動きは、ここ1~2ヵ月、さまざまな企業で見られるため、今後もしばらくこの傾向は続くのではないかと同社は見ている。