数回に分けて展開している「QuarkXPress 8」徹底攻略。今回も、『QuarkXPress 8公認ガイドブック』(弊社刊)の筆者のひとり冨山詩曜が、「3.3」、「4.1」などの旧バージョンのユーザー向けに、QuarkXPress 8の便利なチップスを紹介する。
「QuarkXPress 8」の自由なライセンス
QuarkXPress3.3, 4.1に付きものなのはドングル。しかしその扱いで苦労してきた人も結構いるだろう。このドングルはバージョン6以降、廃止された。それに替わって出てきたのは、オンラインによるライセンス認証だ。QuarkXPress6は、同時に使わない2台のマシンにインストールし、それぞれを認証してアクティブ化することができた。そしていつでも好きなときに、どちらかのQuarkXPressを使用できるのだ。しかしこの新方式にも欠点があった。パソコンを新調したとき、すでにアクティブ化されたライセンスを新しいマシンに移すには、Quark社に連絡して事情を説明し、ものすごく長いアクティブ化コードというものをもらわなければならなかったのだ。
QuarkXPress6のライセンス方式には、もうひとつ不満がある。それはMac版とWin版のライセンスが全く別物だということだ。ただしこれは、ソフトウェア業界の一般常識からすれば、普通のこと。そもそもソフトウェアは「同一プラットフォーム」に対してライセンスされるのが普通である。そのため、同じマシンにMac OSとWin OSを入れていたとしても、通常はそのどちらかにしかインストールできない。しかしバージョン8はこの常識を打ち破った。
QuarkXPress8は、MacとWin、どちらにもインストールできるハイブリッドタイプで販売されていて、そのソフトウェアライセンスはプラットフォームに限定されていない。つまり、MacとWinのデュアルブートマシンで、その両方にインストールし、アクティブ化したとしても、何らライセンス違反ではないのだ。また、一旦アクティブ化したライセンスを無効にして、別なマシンでアクティブ化するためのライセンス転送メニューも登場した。
企業に便利なサイトライセンス
複数の人たちがQuarkXPressを使用する環境には、サイトライセンスが最適だ。これこそドングル時代には実現できなかった、新時代のライセンス方式だろう。例えば15人の事務所でQuarkXPressを使うとしても、6人以上が同時に使うことはあり得ない、という環境はよくある。そんなときは、5人分のサイトライセンスを購入し、QuarkXPressを使う可能性のある全員分のマシンにインストールしよう。この際、サイトライセンスはネットワーク内のサーバーで管理され、6つ目のQuarkXPressが起動しようとすると、それはアクティブ化できないことになる。サイトライセンスのさらに便利な仕組みは『QuarkXPress 8公認ガイドブック』を参照して欲しい。
QuarkXPress 8公認ガイドブック
今回は、QuarkXPressのライセンスについて、バージョンごとの変遷を踏まえつつQuarkXPress 8の便利な点をTipsとして取りあげた。QuarkXPress 8は、実際の操作はもちろんのこと、ワークフローも見据えた、全体的な効率アップを前提にしている。自社にスムーズに導入活用するにはどのように使っていけばいいのかお悩みの方は、3月14日に発売された「QuarkXPress 8公認ガイドブック」をぜひ手に取ってほしい。QuarkXPress 8をフルに活用するために必携の本書は、新機能の紹介はもちろんのこと、3.3、4.1ユーザのための移行テクニックや、ワークフロー解説なども盛り込まれた幅広いコンテンツで、ユーザをトータルにサポートする作りとなっている。「そんなの知ってることばかり」という方もご安心を。QuarkXPressのカラー管理やXMLがベースとなる新機能ジョブジャケットや、Flashデータを書き出すインタラクティブレイアウトなどについて、きちんと触れているのは本書だけ。まさに、QuarkXPress 8の特徴を網羅した解説書となっている