4月8日、日本におけるPerl言語の啓蒙および促進を目指す団体「Japan Perl Association」(JPA)が発足した。同日時点でJPAに加入している企業は、ディー・エヌ・エー、ミクシィ、ライブドアなど、計18社。
JPAの代表理事を務める牧大輔氏は初めに、「Perlはこの世に登場してから20年以上たっており、"今さらPerlなんて"と思う人もいるかもしれない。しかし、Perlは現在でも開発が活発に行われており、多くの商用Webサービスの構築において利用されている」と、Perが進行形の開発言語であり、企業の最前線で利用されていることをアピールした。
国内のWebサービスベンダーであるディー・エヌ・エー、ミクシィ、ライブドアでも、自社のサービスやアプリケーション構築にPerlを用いており、この3社だけで1月当たり360億PVをPerlで処理しているという。実際、PHP、Python、Rubyといった言語と比べて、求人数は劣ってない。
ただ、牧氏は「Perlにも悪い面がないわけではない」と認める。「Webなどで紹介されているPerlの情報の中には古いものも少なくない。しかし、現場では、もっと進化したベストプラクティスを用いてPerlによる開発を行っている。世の中のイメージと現場の実際に差が生まれてしまっている。これまで、こうしたことを啓蒙する団体が存在しなかったから、当然と言えば当然かもしれないが」
JPAの理事であり、ライブドアでCTO(最高技術責任者)を務める池邉智洋氏は、Per技術者の現状について、「採用に際して、応募者のPerlのスキルは当社が求めているスキルに足りないことが多い。JPAは、ビジネスにおけるPerlの普及促進という点から、応募側と採用側の"ミゾ"を埋めるという働きをしていけるはず」と語る。この点については、同じくJPAの理事であり、DeNAのPerlプログラマーである山口徹氏も賛同していた。
牧氏は、Perlが抱えるこのような課題を解決するのがJPAの役割であるとして、「新規ユーザーの参入のサポート、企業ユーザーが安心して利用できる環境の構築、Perlに関する正しい知識を広めるためのマーケティングを行っていきたい」と訴えた。
具体的には、「Perl技術者・企業のネットワーク作り」、「Perlの研修」、「イベント・YAPC::Asiaの運営」、「Perlのリソースの開発・管理」、「求人サイトの運営」という5つの柱に基づき、JPAは活動を行っていく。
今後のスケジュールとして、4月21日の第1回のセミナー開催(講師はEnlightened Perl OrganizationのJay Shirley氏)、5月より企業研修サービスの開始、6月よりPerlの和訳ドキュメント提供開始、9月下旬にYAPC::Asiaの開催が明らかになっている。
さらにJPAは、Perl技術者の認定試験の制定、海外のPerlの推進団体との連携なども視野に入れている。