デジタルハリウッドは7日、デジタルハリウッド東京本校の在校生を対象に開催していた『映画「鴨川ホルモー」プロモーション映像制作コンテスト』の受賞作品を発表した。

同作品のCG制作には、多くのデジハリ卒業生が参加していたとのこと

同作品は、モテない大学生・安倍(山田孝之)らが、京都に千年続く鬼にまつわる謎の祭「ホルモー」に巻き込まれるという、ファンタジックな青春コメディ。実写の撮影終了後、約70名のクリエイターたちが半年を掛けてCGパートを制作したという。

まず事前選考を勝ち上がった10作品を映画「鴨川ホルモー」の本木克英監督とプロデューサーの野地千秋が鑑賞し、審査を行った。選考終了後、本木監督は「今日1回観ただけで、どれをどう判断しようかと非常に迷いました。それくらい、どの作品も良くできていました。ただ、本編の正式な予告編の影響を受けずに個性的な作品を作ってほしかったとも思います。例えば、VFXや鬼などが一切出てこない、芝居だけで繋いだ作品があっても良かった」とコメント。厳しい寸評の中にも、デジハリで学ぶ生徒たちのクリエイティビティへの高い期待がうかがえた。

また野地プロデューサーは「ちょっと予告編に引きづられたという印象を受けましたが、みなさん学生ならではの視点が入っており、本当に面白かったと思います。ひとつ気になったのは1カットずつの尺がやや長いという部分です。そのため少しテンポが悪くなってしまっている作品もありました。ここは次回の作品制作に生かしてください」とアドバイスを贈った。

グランプリは橋本美祐季さんの作品。橋本さんは自身の作品について「一度映画を見た人がこの映像を観て、もう一度映画を観たくなるようなイメージを持ちながら作りました」とコメント。なお、グランプリ作品は映画「鴨川ホルモー」がDVD化された際に、特典映像として収録される。受賞作品は以下の通り。

映画「鴨川ホルモー」のプロモーション映像制作コンテスト

グランプリ

監督:橋本美祐季

本木監督のコメント
橋本さん独特の映画の視点が感じられました。テンポ良く派手なシーンだけを繋げていくだけの作り方ではなく、ほんの一瞬本編に入れたパパイヤ鈴木の映像に反応し、そこを面白がって、ホルモーとは何かという点とオニ語だけで、この映画のなかで何が起こっているんだろうと思わせる、独特な視点がこの作品からは見られました。

準グランプリ

監督:高橋良幸

野地プロデューサーのコメント
オーソドックスといえばオーソドックスなのですが、映画の予告編として必要な情報が入っており、それがテンポ良く繋げられていました。このまま予告編として上映してもいいかなというくらいの作品でした。

審査員特別賞

監督:佐山忠蔵

本木監督のコメント
通常この作品を宣伝部から見せられたら、僕はふざけるなと言って激怒します。しかしそういう挑発的なところが良かったなと思いました。予告編というのは観ていない人を音で振り返らせなくてはいけないと思っています。映像の逆再生というアイディアはここまでやっていいかはわかりませんが、その逆再生の声がハングルに聞こえ、なかなか個性的な作品に仕上がっていました。

左から高橋さん、橋本さん、本木監督、野地プロデューサー、オジンオズボーンのふたり

また、今回のイベントには、同作品にも出演しているオジンオズボーンがMCとして登場。映画撮影中のエピソードを披露した。

「撮影前に40種類もの踊りの振り付けを覚えさせられたが、作品で使われたのはたったの2種類だった」と、こぼれ話を披露するオジンオズボーン

映画「鴨川ホルモー」は、4月18日より全国ロードショー。

(C)2009 「鴨川ホルモー」フィルムパートナーズ