日本のインターネットユーザは、「インターネットを利用した人間関係の構築がニガテ」「子どものネット利用について親の責任意識が低い」「全体的にセキュリティ意識が低い」――世界とくらべて。シマンテックは7日、「ノートン・オンライン生活レポート2009」を発表した。世界12カ国のインターネットユーザを対象とした調査によると、全体的にはインターネットを人間関係や家族関係、恋愛などにとってポジティブに捉える傾向があり、一方で子どものネット利用を管理する難しさを感じている親も多いことがわかったという。

日本のオンラインスタイルの傾向(写真は7日開催の説明会のもの)

シマンテックが発表した「ノートン・オンライン生活レポート2009」は、世界12カ国(アメリカ/カナダ/イギリス/フランス/ドイツ/イタリア/スウェーデン/中国/日本/インド/オーストラリア/ブラジル)において、月に1時間以上インターネットを利用するユーザ9,141人を対象に、ネットでの活動内容や安全性への認識などの調査を実施。調査対象者のうち18歳以上が6,427人(うち1,297人が8~17歳の保護者)、8~17歳の子どもが2,614人。調査期間は2008年10月13日~同12月5日、Harris Interactive社によって行なわれた。詳細データは同社Webサイトからダウンロードできる。

同レポートでは、調査結果を3つの観点でまとめている。インターネットが人間関係(家族関係/友人関係/恋愛など)の構築に利用されている実態をまとめた「テクノロジーは愛を育みますか」。「子どもたちがオンラインで何を見ているのか知っていますか」では、子どもたちのオンライン活動内容やそれに対する親の考えなど、「オンラインでは安全でしょうか」では、オンラインセキュリティへの意識などがまとめられている。レポートには以下のような調査結果が見られる。

  • 大人のユーザの58%がネットで友人を作った経験がある(最高86%/中国、最低32%/フランス)
  • 大人のユーザは、一人当たり平均で41人のネットの友人を持つ(最高66人/ブラジル、最低17人/日本)
  • 大人のユーザの74%はネットの友人と実際に会ったことがある
  • 大人のユーザは一人当たり平均で13人のネットの友人に実際に会った(最高24人/ブラジル、最低6人/日本)
  • 大人のユーザの14%がネットを通じて恋人関係を復活させた(最高37%/インド、最低6%/日本)
  • 大人のユーザの42%が家族や友人との会話にWebカメラを使った経験がある(最高74%/中国、最低18%/米国)
  • 世界の子どものネット利用時間は平均39時間、親の認識は平均21時間
  • 62%の親が子どものネット利用時間が長すぎると考えている(最高84%/ブラジル、最低30%/日本)
  • 米国では大人、子どもともに6割以上がネットで過ごす時間を「無駄」と考えている
  • 子どもが親から許可されていないネット活動を行なったことを発見した親は22%(最高35%/スウェーデン、最低は3%/日本) ※子どもの活動を「こっそり監視する」親は昨年比48%増加
  • 親の90%が、「親」がネットでの子どもの保護に責任を持つべきと考える(最高99%/カナダ、最低79%/日本)
  • 親の19%が、「子ども」がネットでの行動に責任を持つべきと考える(最高40%/日本、最低6%/イタリア)
  • 親の70%が、ネットの安全性について子どもと話し合ったことがある(最高87%/カナダ、最低22%/日本)
  • 大人のユーザの84%は個人情報保護の方法を知っている(最高92%/ブラジル、最低71%/日本)
  • 大人のユーザの27%がハッキングされた経験を持つ(最高53%/中国、最低11%/日本)

全体から見ると、日本のユーザはネットに対する活用意識が低く、ネット利用を子どもの自己責任と考える割合が多いという結果となっている。また、シマンテックは、インターネットを家族との関係構築に活用するユーザを"E-Family"と定義。E-Familyは、中国、インド、ブラジルなどの新興国で顕著に見られると報告している。なお、本調査には、日本の携帯電話によるネット利用は含まれていない。