Python Programming Language

実験的な位置づけが強いが、Pythonプロジェクトから新しい開発環境スタックPortable Python 1.1が公開された。Portable Pythonはポータブルデバイスで持ち運びができるようにまとめられたPython開発スタック。Windows XP、2000、98がサポートされ、Python 2.5.4、Python 2.6.1、Python 3.0.1のバージョンがサポートされている。スタックに含まれている成果物は次のとおり。

  • Python 2.5.4版スタック(Django-1.0.2-final、IPython-0.9.1、Matplotlib-0.98.5.2、Numpy-1.2.1、PIL-1.1.6、Py2exe-0.6.9、PyGame-1.8.1、PyReadline-1.5、PyScripter v1.9.9.6、PyWin32-212、Rpyc-2.60、Scipy-0.7.0b1、SPE-0.8.4.c、VPython-3.2.11、wxPython-unicode-2.8.9.1)
  • Python 2.6.1版スタック(Django-1.0.2-final、IPython-0.9.1、PIL-1.1.6、Py2exe-0.6.9、PyGame-1.8.1、PyReadline-1.5、PyScripter v1.9.9.6、PyWin32-212、Rpyc-2.60、SPE-0.8.4.c、wxPython-unicode-2.8.9.1)
  • Python 3.0.1版スタック(PyScripter v1.9.9.6、Rpyc-2.60)

最初の起動時にはスクリプトのコンパイルが実施されるため起動するまでに時間がかかる。コンパイルしたあとはスムーズに起動するようになる。USBメモリといったポータブルデバイスにインストールせずに、HDDにインストールして使うことも可能。Windows版以外の提供に関しては要望があれば検討するという立場だ。Pythonの開発環境をこうしたポータブルな形式にすることはプロジェクトの目的ではなく、あくまでも実験的な取り組みという位置づけとされている。プロダクションレベルでの利用は推奨されておらず、開発や実験目的での利用となる。

メインストリームの利用方法ではないが、USBメモリが廉価に手に入る現状ではHDDにインストールせずに利用したいアプリケーションスタックや開発スタックをUSBメモリで保持し、必要なときにさして使うというのは方法としてはおもしろい。ホストOSに対する変更が最小限で済む点も魅力的だ。今後ほかのプロジェクトでも同様のスタックが提供されるようになるかに注目しておきたい。