経済紙の米Wall Street Journal(オンライン版)は4月2日(現地時間)、現在交渉が進んでいるといわれる米IBMによる米Sun Microsystems買収について、買収価格の引き下げを行ったと報じている。同紙によれば、当初はSun株1つあたり10 - 11ドルの価格レンジでの交渉を進めていたが、これを9 - 10ドルの範囲まで引き下げたという。なお、Sunの株価は原稿執筆時点の2日午後2時30分(米東海岸時間: EDT)の段階で前日比1.5%増の8.12ドルの水準で推移している。
IBMによるSun買収交渉は、3月18日(米国時間)にWSJが報じたスクープによって明らかになったもの。当初の報道ではIBMはSun買収のために65億ドル以上を費やす計画だとされていたが、これは18日時点のSunの株価4.97ドルに100%のプレミアを乗せたもので、買収金額は10ドル前後のレンジとなる。65億ドルをSunの株数で割ると約8.7ドルとなるが、差額は手持ちキャッシュを含むSunの資産を差し引いた分だ。つまり買収総額は65億ドルよりもさらに減少する可能性がある。この買収金額引き下げにはSun側も同意しているという。
またWSJによれば、依然として買収交渉の行方は不透明だという。仮に両社が合意に至ったとしても、以前のレポートのように独占禁止法上の問題から調整に難航する可能性が出ており、最終的な買収成立にはかなりの時間を要することになりそうだ。