米Accentureは31日(現地時間)、米国会計基準(GAAP)から国際財務報告基準(IFRS)への移行についての米国企業の意識調査の結果を発表した。

発表によると、企業幹部の多くが会計基準の変更を煩雑で費用のかかる作業であると感じている一方、4分の3以上にあたる83%の幹部は、今回の会計基準の移行が業績管理を中心に財務機能の大幅な改善を図るチャンスであると考えている。また、計画立案・予算編成・予測、管理報告とその指標、法定報告書の作成に関わるテクノロジーやプロセス改善、実務担当者の訓練に投資を行う用意があると回答している。

IFRSの採用が財務部門以外にどのような影響を及ぼすかについて尋ねたところ、52%が主要なすべての分野に影響があると答えた。具体的には、71%が情報技術、67%が事業運営、62%が社外のステークホルダーとの関係、52%が人事、53%が顧客を挙げた。

IFRSを導入した上で投資効果を最大化するための方法について尋ねたところ、41%が業績管理機能に「高水準」の投資を行い、経営目標の達成に向けての業績改善のために活用すると答えた。また、IFRS戦略の最適化に重要性を感じていると答えた人の51%が、関連性の高い他の取り組みと会計基準の移行作業とを統合し、相乗効果を発揮することで一層の付加価値を実現したいと答えた。

さらに、米国の企業がIFRSの導入にかける費用には大きな幅があり、収益規模が500億ドル以上の企業では、経営幹部の43%がIFRS移行に関する投資額は2500万ドル以下であろうと答えている一方、1億ドル以上を投資すると答えた幹部も30%に上った。対照的に、収益規模が10億ドル~49億ドルの企業では、平均して収益の0.731%にあたる2320万ドルが投じられるのに対し、500億ドル規模以上の企業の平均は収益の0.103%という結果だった。

同調査は、年間収益10億ドル以上の米国上場企業に所属する経営幹部208年を対象に、2008年12月にインターネット上で実施されたもの。調査対象となる経営幹部はすべての主要産業から選ばれ、年間収益50億ドル以上の企業幹部が75%を占めている。なお、同調査は、米国上場企業に対して、早ければ2014年から米国会計基準の代わりに国際財務報告基準に則した財務報告を義務づけるとする米証券取引委員会(SEC)の提案を受けて実施された。