デルは、インテル Xeon プロセッサー 5500 番台(開発コード名:Nehalem-EP)を搭載するサーバ5製品を新たに発表した。
デル 代表取締役社長 ジム・メリット氏は発表会の冒頭「現在の経済状況において、ユーザーのニーズはコストを低く抑え、よりよいROIを得たいということだ。そしてこれらは、今回の新製品発表の目的でもある。それには、オープンであり、既存の環境に統合できる必要がある。われわれは仮想化による効率性のアップ、エネルギー効率の高いハードウェアを提供することで、ROIを最大限化しようと考えている。オープンで使いやすく、効率性が高いというのがデルのエンタープライズ戦略の核であり、他社との差別化要素でもある」と述べた。
本日新たに発表されたサーバは、ラックマウントサーバ「PowerEdge R710」「PowerEdge R610」、ブレードサーバ「PowerEdge M710」「PowerEdge M610」タワーサーバ「PowerEdge T610」の第11世代PowerEdgeサーバ5種類。
今回の製品では、従来からのメンテナンス効率向上に加え、「仮想化を強力にサポート」「グリーン」「運用管理のシンプル化」の3つの観点で開発を行ったという。デル 執行役員 アドバンスド・システム・グループ本部長 町田 栄作氏は「フルモデルチェンジといっても過言ではない」と話す。
メンテナンス効率の向上では、マザーボードレイアウトの共通化を図ったほか、サーバの前面でIPアドレスの設定などが行えるマルチスクリーンを搭載した。また、取り外しが簡単に行えるモジュラー型ファンや、プラスチックに代わり鉄やアルミを利用するなど、材質の改善も図ったという。
仮想化のサポートでは、DDR3メモリを採用し、搭載量を2倍以上にしたほか、ギガビットNICを4ポート搭載、また、VMware、Xen、Hyper-Vなどの仮想化ソフトもSDカード入れられ、SDカードスロットに組み込んだ形で提供される。
グリーンでは、約60%の省力化を図ったファンの採用、交流から直流への電力変換効率も90%以上に高めたという。また、監視ソフトにより、最大のサーバ電力消費量を設定し、それ以上電力消費が行われないよう制御する「Power Capping」が搭載された。
運用管理のシンプル化では、ドライバ、ファームウェア、ユーティリティなどをあらかじめSDカードに入れ、サーバに組み込んだ形で出荷される。これにより、DVDやCD-ROMを入れ替える必要がなく、OSのインストールの手前までメディアレスで行うことができるという。町田氏によれば、これは業界初だという。
また、シマンテックのAltirisのOEM版である「Dell Management Console」を無償添付。この製品は、デル製品だけでなく他社製品も統合して管理することができ、今後はバックアップやセキュリティなど、サーバの管理機能をプラグインで提供し、機能拡張が自由に行えるようなしくみにしていくという。
サーバ5製品の価格は、PowerEdge M610が23万6,460円から、PowerEdge M710が27万480円から、PowerEdge T610が31万8,150円から、PowerEdge R610とPowerEdge R710が34万8,600円から(いずれも税込)となっている。出荷は4月1日より開始される。