米Gartnerは3月30日(米国時間)、2009年における全世界のIT費用総計予測を発表した。

それによると、2009年のIT費用は3.2兆ドルになる見込みで、2008年の3.4兆ドルから3.8%低下している。これは、ITバブルが崩壊した2001年の2.1%減を下回る数字で、ガートナーでは不況の影響から企業も消費者も財布の紐が固くなっていると分析している。

分野別の内訳は以下のとおり。ソフトウェアがかろうじて0.3%増という数字になっているものの、そのほかはマイナス成長となっている。

2008年費用 2008年成長率 2009年費用 2009年成長率
ハードウェア 381 2.8% 342.3 -14.9%
ソフトウェア 221.9 10.3% 222.6 0.3%
ITサービス 809.5% 7.6% 796.1 -1.7%
テレコム 1948 5.6% 1891.2 -2.9%
(単位: 10億ドル)

また、同社は26日(米国時間)には、クラウド・コンピューティングやHosted Virtual Desktop(HVD)が今後大きく躍進するとの見解を発表している。

クラウドコンピューティングについては、2009年で前年比21.3%増の563億ドル(2008年は464億ドル)に達し、2013年には1501億ドルにまで成長すると予想。HVDについては、2009年は13~15億ドルで業務向けPCの1%にも満たない数字だが、その後急成長を見せ、2013年には業務向けPC市場の40%に相当する657億ドルにまで大きくなるとの見方を示している。