A「最近、ミスチルとスピッツが好きなんだ。ほかにオススメってある?」
B「じゃあ、このバンドも聞いてみれば。合うと思うよ」
──こんな日常的な会話のやりとりをウェブサービスにしてしまったサイトが公開された。足して2で割ったミュージシャンを検索する『混合検索 RhythMiXearch』だ。
混合検索 RhythMiXearchは、サイト上に用意された2つの入力ボックスに言葉を入力すると、ウェブ上から関連するキーワードを抽出して分析。その混合結果に近いミュージシャンを3組まで導き出してくれるサービスだ。2組のミュージシャン同士だけではなく、音楽とはまったく無関係な人物や言葉を入れても構わない。
さて、それでは前述のミスチルとスピッツの混合はどうなったのか。というと結果として表示されたのはYUI、RADWIMPS、レミオロメンの3組であった。一番上にYUIとは意外だが、あとの2組はうなずけるところだろう。
聴かずとも好みにあった音楽を探す出すことに使えるのか。さらに片っ端から思いついたミュージシャンや言葉を入力してみる。合体したことが賛否両論を呼んだEXILEとJ Soul Brothersは浜崎あゆみ。やはり人数は半分位がちょうどよいのか。初音ミクと巡音ルカで電気グルーブ。電子音楽つながり。渡辺香津美と山下洋輔で渡辺貞夫。これは予想通り。イケメンとオタクで小沢健二。なるほど、雰囲気だ。浅田真央とキムヨナでPUFFY。仲良くしよう。ガンダムとザクでゴダイゴ。言葉の響きはそんな感じ。麻生太郎と小沢一郎で山口百恵。大連立したら国民の支持を得る? と、こんな結果に。思わず納得してしまったのは言うまでもない。
そして、なかには驚くような混合結果になったことも。細野晴臣、坂本龍一、高橋幸広のYMO3人の組み合わせを試してみたところ、細野晴臣と坂本龍一が高橋幸広に。坂本龍一と高橋幸広が細野晴臣となったのは予想通りであったが、細野春臣と高橋幸宏は坂本龍一にならず、なんと矢野顕子が登場したのである。ううむ、だから教授は結婚したのか(いまアレだが)。深い!
なお今回、主に試したのは4種類あるミックスモードのうちの「属性Mix」という方法だ。これはAmazon.co.jpのレビュー情報を分析して抽出している。ほかにブログ記事などから印象語を抽出する「Web印象Mix」とWikipediaから抽出する「WikipediaMix」、そしてそれらすべてをトータルした「Total」も用意されているが、こちらは「属性Mix」よりはしっくりとこなかった。音楽に関係のない言葉も拾うために偏りが生じてしまうらしい。例えば曲のタイトルに使われているために、そのミュージシャンのイメージとは違う言葉が上位にきたり、ニュースで登場するのが多いためか、芸能界のご意見番的な和田アキ子がやたらと表示されたりするのである。ここらへんは改良の余地がありそうだ。
また、なかなか関連性が見えてこない場合も少なくはない。例えば氷川きよしと北島三郎では北山たけしの登場を期待したが、なぜかアニメソングの奥井雅美が。湘南と海ではサザンオールスターズが出てこない。単に足しているだけではなく、最終的に2で割っているのが原因なのだろう。つまりエッジがマイルドになっているわけである。とはいえ、それはそれで面白いといえよう。新たな音楽を発見する。そうした楽しみがあるのは、間違いない。