3月30日(現地時間)、IBM、Sun Microsystems、SAPなどのクラウドコンピューティング・サービスを提供するベンダーが、クラウドコンピューティングのオープン性を確立するための原則をまとめた「Open Cloud Manifesto」を発表した。
公式サイトによると、Open Cloud Manifestoとは、「クラウドコンピューティングを活用する組織が、選択・柔軟性・オープン性が確保できるための原則を確立するもの」だという。同マニフェストを作成するに至った理由としては、「顧客が現在利用できるITと同じくらいオープンなクラウドコンピューティングを望んでいるから」としている。
同マニフェストでは、クラウドコンピューティングを採用する際の課題や障壁として、「セキュリティ」、「データとアプリケーションの相互運用性」、「データとアプリケーションのポータビリティ」、「ガバナンスと管理性」、「監視性」を挙げている。そうしたなか、オープン性が確保されることでクラウドの価値が完全に実現されるという。また、「選択性」、「柔軟性」、「スピードとアジリティ」、「スキル」の4つの側面から、オープンなクラウドのゴールについて表されている。
今回のOpen Cloud Manifesto公開にあたって議論を呼んでいるのが、クラウドの牽引役とも言えるアマゾンとマイクロソフトが参加していない点だ。
米Microsoftでプラットフォーム製品管理部門上級ディレクターを務めるSteven Martin氏は3月26日(現地時間)、ブログでOpen Cloud Manifestoに対する反対意見を表明している。同氏は公表前にOpen Cloud Manifestoのコピーを極秘に見る機会があったとして、「Open Cloud Manifestoのコンセプトには賛成だが、その内容の一部に異議がある」と語っている。オープン性は、顧客に選択の余地、柔軟性、スピード、アジリティなどを与えると述べている。
「われわれから見ると、マニフェストの大部分は賢明だが、一部は間違いなく作成者のバイアスがかかっており、作成者の意図を正しく理解するには曖昧すぎる」
現時点では、以下の企業や団体がOpen Cloud Manifestoに参加している。
Akamai、AMD、 Aptana、 AT&T Corp、Boomi、Cast lron、 Cisco、CSC、The Eclipse Foundation、Elastra、EMC、EngineYard、Enomaly、F5、GoGrid、Hyperic、IBM、Juniper、LongJump、North Carolina State University、Nirvanix、Novell、Object Management Group、Open Cloud Consortium (OCC)、Rackspace、Red Hat、The Reservoir Project、RightScale、rPath、SAP、SOASTA、Sogeti、Sun Microsystems、Telefonica、The Open Group、VMWare