ルネサス テクノロジは3月30日、北米向け液晶デジタルTV用に、デジタル放送信号の復調から液晶パネルへの信号出力までの主要な信号処理を実現したSoC「R8J66957BG」および「R8J66955BG」を製品化したことを発表した。2009年4月8日よりサンプル出荷を開始、サンプル価格はそれぞれ1,700円、1,500円となっている。

WXGA対応品「R8J66955BG」(上)とフルHD対応品「R8J66957BG」(下)のパッケージ写真

2製品ともに北米における映像フォーマットである、デジタル放送のATSC、アナログ放送のNTSCの信号処理対応に加え、全世界で普及しているコンポーネント方式やコンポジット方式、S信号方式のインタフェース規格などにも対応している。また、液晶パネルへの出力信号として、10ビットのLVDSによる映像出力に対応している。

さらに、従来2個以上必要としていた外付けメモリ(DRAM)の数が1個だけで、解像度がフルHDまたはWXGAまでのTVセットに対応可能であり、部品数を低減可能なほか、業界最小クラスとなる23mm×23mmのPBGAパッケージを採用しており、USBや音声多重デコーダ機能、オーディオ用A/Dコンバータなどの内蔵による部品数低減との相乗効果により、信号処理部の基板を小型化、TVセットの低価格化が可能となる。

WXGA対応の"R8J66955BG"とフルHD対応の"R8J66957BG"は、パッケージのピン配置が完全互換であり、WXGAとフルHD対応のTVセットの開発プラットフォームを共通化することで、開発効率向上、開発コスト低減などを実現することができる。

このほか、3次元ノイズリダクション回路、3次元IP変換、3次元Y/C分離回路、カラーマネジメント用NCMなどを内蔵しており、高画質、高音質表現が可能となっている。