大日本印刷(DNP)は3月30日、既存の印刷機を用いて、文字や絵柄など任意の形状パターンを印刷でき、低電圧で光る発光材料を開発したことを明らかにした。
同材料は、高輝度を得るために、ルテニウム(Ru)を中心とした遷移金属錯体を使用し、蒸発しない液体であるイオン液体を電解質に用いることで、ガラスやフィルムなどで封止することなく、大気中での発光を可能とした。
3.3Vの乾電池でも駆動可能な電圧で、携帯電話の白色有機ELと同程度の200cd/m2の輝度を得ることに成功している。
また、シリカナノ粒子を混練し、発光体をゲル上にしたことで、インキ同様に紙や布などにパターンを印刷することが可能となった。
膜は、25μm以上と比較的厚く、異物混入の影響を受けないため、クリーンルームなどの設備環境は不要といった特長も有している。
同社では、今後、発光性能の向上を図っていくほか、ポスターやPOPといった印刷物への応用や、フレキシブルディスプレイなど他の用途開発を進め、5年後の実用化を見込んでいる。