マーケティング・調査会社のインテージが行った調査で、被雇用者の"残業"に対する意識や実態が明らかになった。

調査は2009年3月12日 - 16日の間、20 - 59歳までの全国の会社員、派遣・契約社員、公務員・団体職員(教職員・講師を除く)の男女2,400人を対象に実施。その結果、全体の34.3%が2009年3月時点で1年前より残業が減ったと回答した。さらに、残業手当を含め1年前より月収が減ったと答えた割合は全体で35.6%にのぼった。

一方、収入減への対応策では「外食を減らす」が56.8%でトップ。以下、上位に「ファッション(衣類)の購入を控える」(45.1%)、「贅沢な食品類を買わない」(43.3%)、「日常の食品・飲料を安いものにする」(37.6%)といった回答が並び、全体的に食事や衣類など日常生活で不可欠となる消費部分を切り詰めることで合理化し、収入減に対する家計の採算を合わせる傾向にあるという結果が示された。

また、残業が減ったことに対する意識では、40.7%が「残業手当が減って、経済面で困る」と回答。しかし、その反面で2位以下では「家に早く帰れてうれしい」(20%)、「自由な時間が増えてうれしい」(18.5%)、「身体が楽になったり、ストレスが減ってよかった」(11.5%)とポジティブな回答が続いた。これらを合わせるとポジティブな回答は約5割となり、経済面での不満を訴えた4割を上回った。

さらに、残業が減って増えた時間の使い道の回答では、「家に早く帰る」が79.5%と圧倒的に1位。以下は「趣味やスポーツの時間にあてる」(25.3%)、「家事をする、家事を手伝う」(24.4%)、「資格取得や勉強の時間にあてる」(11.1%)といった少数回答が並んだ。

残業減への総合的な評価では、「まぁよかった」が42.9%で最多。「とてもよかった」(13%)と合わせると、過半数を超える人が肯定的な評価をしていることになる。

また、将来残業が増える可能性について、42.4%が「以前ほどではないが今よりは増えてほしい」と回答。「今のままがよい(増えてほしくない)」(32.1%)と「もっと減ってほしい」(5.8%)を足した4割近くの人が残業時間の現状維持またはさらなる負担減を求める一方で、「以前のように増えてほしい」と答えた人はわずか18.2%に留まった。