日立製作所は3月25日、印刷インキメーカー・DIC鹿島工場の設備向け電力として、木質バイオマス発電設備と風力発電設備によるESCO事業を4月1日より開始すると発表した。同事業により、DIC鹿島工場では、原油換算で年間約1万1,000キロリットルのエネルギー削減、CO2で換算すると工場全体の年間排出量の約8割である年間3万トンの抑制を実現する。
DIC鹿島工場ではこれまで主に、木質バイオマス(木質チップ)を燃料とするボイラーとガスタービンを用いて工場内の設備向けの電力をまかなってきた。今回、既存の木質バイオマスボイラーに加えて、新規の木質バイオマスボイラーと蒸気タービンを組み合わせた発電設備を導入することで、ガスタービンの使用を停止し、余剰蒸気を新たなエネルギーとして活用することが可能になった。
さらに、太平洋沿岸に位置する鹿島地区の気候を生かし、風力発電設備(風車の直径71m、地上から羽根中心までの高さが64mで発電量2,300キロワットの規模)2基を導入することでり、より省エネルギー化が図られる。
ESCOとはEnergy Service Companyの略で、ESCO事業は省エネルギーについて、提案、資金調達、設計・施工、導入後の検証・保守まで包括的なサービスを提供する事業のこと。
ESCO事業者である日立が資金調達・省エネルギー施策を実施し、顧客はエネルギー削減効果額の一部をサービス料として同社に支払うことで、自己資金なしで省エネルギー施策の導入が可能になる。