早稲田大学ロジスティクス研究所とkodo.ccは25日、林業に特化したマッチングサイト「林サク」の提供を開始したと発表した。同サイトは、インターネット上で全国の林業関係者と建設業者が、林業案件を受発注することが可能。「複雑な流通を省き、コストダウンすることによって国産材の需要を喚起する」としている。
日本の林業においては、木材の流通が古くからの複雑な経路を形成していることや、人件費高騰などから、流通経費が高額なものになっている。
このため、「外国木材との競争で決まる製材品の製品価格から流通費を差し引くと、山元に残るお金はゼロに近くなる」(kodo.cc)状況が生まれ、日本の林業の発展を難しくしている。
今回、早稲田大学ロジスティクス研究所とkodo.ccは共同で「林サク」を開発。木材を使用する建築会社などと、林業に携わる森林組合、製材工場をインターネット上で直接マッチング。このため「中間コストが不要となり、外国産材に負けない価格が可能」(同)となっている。
利用するには会員登録が必要。会員登録、案件の登録と検索は全て無料。
材木・作業の発注希望者、材木・作業の受注希望者がそれぞれ、希望の発注条件と受注条件、自らの企業情報などを登録して会員となる。
会員登録後、サイトを検索して受注を希望する案件を発見した受注希望者が、その案件を登録した発注企業の「紹介希望」を林サクに送信。林サク側は発注企業に、受注希望企業の企業情報の一部が分かる内容の電子メールを送信。発注企業が「OK」を出せば、受注希望企業に発注企業の情報の一部が分かる内容の電子メールを送信する。
その後、双方の詳しい企業情報があらためてお互いに開示された段階で、林サク側が、登録されている案件の発注・受注金額の1%を紹介料として双方に請求する仕組みとなっている(ただし、虚偽の情報で契約できなかった場合紹介料は免責)。
建築会社などのデータベースは、kodo.ccが運営するネット上で建築・土木工事の受発注をマッチングできるサイト「建サク」と連動。建サクにはすでに、5,000会員が登録している。
kodo.ccでは「建サクのシステムとデータベースと連携しながら、林サクで林業の活性化を目指す」としている。